【うたプリ】高嶺の花(？)の少女は色々難ありのようで Part3

118.のど飴 ページ30

翌日。
喉がまだ痛いが、熱は引いたし体のだるさはなくなったので、登校した。

マスクをした状態で。

するとまぁ、視線が注がれるわけで。
普段から視線は感じていたが、軽くその倍。
2日間、学校に行っていないから余計だろう。

普段から目立つ+マスク+学校に来てない=更に目立つ

「…何という……ことでしょう…」

こんな方程式いらねぇ…。

「ん？どうした、月夜」

「へ、あ…何でも……ないです」

来栖くんが心配そうに話し掛けてきた。

彼は、連絡をした時、誰よりも心配してくれた。

『大丈夫なのか！？
風邪引いたって聞いたけど…。
無理はするなよ！！しっかり寝て、栄養取れよ！！
風邪には生姜だぞー！！』

これが来栖くんから来たメール。
心配してくれた、というかめっちゃ元気そう。
ちなみに、連絡した約30秒後ぐらいに来た。

「やっぱ、声出しにくいか…？」

「大したことないで…ケホッケホッ。
……大丈夫です」

「いやどこが！？
咳してたよな！？」

喉が痛くて少し咳が出る。
ただそれだけで、大したことはない。


「全く…。
薬は飲んだのですか？」


「…一ノ瀬、さん…」

一ノ瀬さんが突然現れた。

『風邪を引いたと聞きましたが…。
大丈夫ですか？雨に打たれたからそうなるんですよ。
体調管理もプロを目指す上で基本的なことです。しっかり休んで下さい』

一ノ瀬さんのメールは、こんな感じに通常運転だった。
業務連絡か何かか、と思ったのは内緒にしておこう。

「飲みました…うー…痛い…」

「出来るだけ、喉は使用しないようにした方がいいですよ。
声、出しにくいでしょう？」

「……は、い…」

登校してきた時より、明らかに喉の痛さが悪化している。
正直、声を出すのも億劫になってきた。

「これをどうぞ」

「……ありがとう…ござ…ます」

「よく効くのど飴ですから」

いやいや、どこから出したんだよ。
というか見たことないのど飴だよ、これ。
一応舐めるけど…。

「……っ！？」

袋から開けて、口にのど飴を放り込んだ。
その瞬間、訳の分からない味が広がる。

何だこれ何だこれ。
待って待って、めっちゃ苦いんだけど！！！！

「にっ……ぅ……」

「お、おい、月夜？」

「ど、どうしました？」

どうしました、じゃねぇよ！！
苦いんだよぉぉぉ！！！

「に……が…」

「大丈夫か！？無理なら吐き出せよ！」

「良薬口に苦し、とは言いますが…無理はしないで下さいね」





君たち…水を持ってくる選択肢はないのか…。

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