File5 ページ7
食卓に並ぶ豪華な料理に一同は顔を輝かせる。お風呂を済ませた後直ぐに用意された夕食は、なにかの記念日ではないかと思うほど豪勢なものだった
「こりゃあえらいご馳走だなぁ」
「すごいや蘭姉ちゃん!」
『ほんと…蘭ちゃん料理の腕あげたわね』
「えへへ…優希さんに食べてもらいたくて、頑張っちゃった」
照れながら頬をかく蘭に彼女は優しく笑う。その初々しく可愛らしい笑顔に、新一は心を掴まれたんだろう
全くいいお嬢さんを好きになった事だ。お嫁さんに来るのが待ち遠しいと、彼女はひそかに頷いた
『それじゃあ、いただきます』
「「「いただきます」」」
ひとつ、口に入れて咀嚼する。喉を通してまたひとつ口に含んだ。飲み込んだ後にドキドキしながらこちらを見つめる蘭に笑いかけた
『とっても美味しいわ。流石蘭ちゃんね』
「!よかった…!」
「すっごく美味しいよ蘭姉ちゃん!」
「うめぇ!蘭、おかわり!」
「ありがとうコナン君!お父さんったらもうちょっと味わってよね!」
和気あいあいとした食卓の雰囲気に、眩しい光を見たときのように彼女は目を細める
_…いいなぁ
ここ数年誰かと食事なんてしていなかった。仕事が忙しくて外食が多く、食べない日だってザラにあった
誰かと一緒に食べる食事はこんなにも眩しく楽しいものだったんだと、彼女は思い出した。小さな頃、両親と弟と、一緒に囲んだ食卓は今のように眩しかった
「優希さん?どうしたの?」
ぼーっとしていたからか蘭がこちらを見つめる。なんでもないと、安心させるように微笑んだ
『ううん。ただ、新一のいいお嫁さんになるなぁって思っただけよ』
「へっ!?しし、新一のっお、お嫁ッ!?」
「バッ…!ねえッ…優希お姉さん!!」
「なんでお前が照れてんだよ!!探偵ボウズに蘭はやらねぇ!!」
約2名が顔を真っ赤に染めて、1名は「娘は俺が認めた男…」などと叫んでいる。それらを愉快そうに眺める彼女
はたから見ればカオス極まりないが彼女達以外誰もいないためこの状況を収めるものはない
_あぁ、幸せ
心の底からの感情を表すように、彼女は笑った
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零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年10月1日 20時) (レス) @page10 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 続きが読みたいです。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 名前変換しないんですね。 (2020年4月9日 16時) (レス) id: 027b8ced49 (このIDを非表示/違反報告)
朱里(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年11月20日 8時) (レス) id: c0f8ac05c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - この作品だけは、私と新一が結ばれますように。新蘭もいいけど、ね (2019年8月5日 2時) (レス) id: 30e8751aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2019年7月22日 20時