来世でも6 ページ7
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私がそう言うと、その直後には聞きたくなかった彼の声がした。
(追ってこないでほしかった…そう言えたら、何度喜べるのか。)
彼は種子だ、枯である私に恋をしてはいけないのだ。
「……種子様ではありませんか!まさかとは思いますが、この大罪人を助けたのは貴方様なのですか?」
「いいから彼女を離せっ…!そうでなければ、拙者もここで命を尽きよう。」
「それはなりませぬ!種子様には生きていただなければ…!」
そう、彼らの言う通り。私はこの世界の大罪人。生きることを許されない限り、生きることこそ罪なのだ。けど、何故?
(彼には来て欲しくなかったのに、嬉しいと感じてしまう私が憎たらしい。)
彼が私の味方でい続ける限り、この苦しみからは永遠に逃れられないのに。私が生きては…彼の幸せが来ないとわかっているのに。
「うわっ…あの大罪人が、神社のろうそくを落としやがった!」
「か、火事よ!皆さん、逃げてくださいっ!」
「種子様も早くっ!」
「そんなことは出来ぬ!A…!」
彼は燃えていく神社の中にいる私に手を伸ばした。そして、彼を引っ張っていた種子の護衛隊が彼の手を離した。
彼は炎を退け、私を起こしてくれた。
「そなたは…本当にばかだ。」
「そのばかな私に惚れたのは…あなたですよ?」
「そうだったな。……いつの日か、そなたと同じ世界を共にすることになったら…必ず拙者がそなたを探し出す。」
「来世でも…私がこのようになってもいいのですか?」
「…その時は、今世のように拙者がそなたを守ってみせよう。」
「…来世でも、私はあなたに出会えると信じています。」
「……最後にキスをしてもよいか?」
「もちろんです、楓。」
焼けた大地と隣には愛おしいあなたがいて。
今世で私たちが焼けても、来世ではあなたの隣にいる相手が私でありますように。
そう願って、私たちは最後に口付けを交わした。
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りん。 - とにかく好き!!世界観が綺麗すぎる、、、主人公が辛すぎる (2022年11月17日 17時) (レス) id: b8640692aa (このIDを非表示/違反報告)
天野アリサ(プロフ) - さめさん» コメントありがとうございます!!深夜テンションで書いてしまった作品ですが、世界観が好きと言っていただけて何よりです…!主人公達の思いなど、ぎゅっと詰め込みましたので心が抉られると言っていただいたのはめちゃくちゃ嬉しいです…! (2022年11月17日 16時) (レス) id: 08985c907f (このIDを非表示/違反報告)
さめ - 何このエモいストーリー…。好きです、世界観が美しくて主人公達の葛藤が見てて心えぐられましたもん… (2022年11月17日 14時) (レス) @page9 id: 55a1b0cf19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いるか | 作者ホームページ:
作成日時:2022年11月17日 5時