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「 天王寺 」
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ふと、北斗が立ち止まって振り向く。
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「 …色々話したけど、天王寺が遠慮する必要はどこにもないから 」
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ぐるぐる考えて不安になり始めた私を見透かしたかのように、優しく笑った。
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「 俺が言うのもあれだけど…京本が衣織のこと好きだったのは中学の時で、そこから一年半ぐらいは経ってるわけだから。流石にもう、気持ち変わってると思う 」
「 そう、かな 」
「 …ほら、あれから色んな人と付き合ったり別れたりしてたし 」
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あぁ、そういえばそうだった。
去る者追わずの冷酷王子ってあだ名、すっかり忘れてたよ。
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( あ…、そうか )
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「 京本がそういう風になったのも…俺のせいかなってずっと思ってたんだよね 」
「 いや、それは違うと思う 」
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これはあくまで私の勝手な予想に過ぎないけど。
雪平さんが好きだったからこそ、北斗が大切だったからこそ、そういう行動になったんじゃないか。
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( そうなると、あの日の微妙な表情にも説明つくし )
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「 他の4人も京本の行動を深くは追求してこなかったけど、心配してはいたんだよ。高校から急に変わったから 」
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あぁ…そりゃあびっくりするな。
変に高校デビューしちゃったんじゃないかってなるもんね。
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「 でもあの日、天王寺を俺らの所に連れてきた時、もう大丈夫かもなって思った 」
「 大丈夫かも、とは？ 」
「 彼女取っかえ引っ変えしてる間の京本、全然笑ってなかったんだよ。感情死んじゃったんじゃないかってぐらい 」
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…え。いや確かに冷酷王子って言われてたけど。
そんなだったの？
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「 でも、天王寺の前の京本はさ、すごく自然体っていうか。よく喋るし笑うし、それ見て俺ら昔の京本に戻ったみたいだねって 」
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その瞬間、大我のキュッと口角を上げる笑い方とか、Aって呼ぶ声とか。
ブワッて思い出して、一気に頭の中を駆け巡った。
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紺(プロフ) - にこさん» 嬉しいです！！ありがとうございます*^^* (2021年8月9日 8時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 面白かったです！完結おめでとうございます (2021年8月8日 14時) (レス) id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - わたぐもさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けた様で良かったです*^^* わわ、そっちも読んで頂いてるんですね…！更新頑張れます、ありがとうございます！！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - ティーさん» ありがとうございます！！やっと付き合ってくれました！！()いつもコメントくれてマジで支えになってました*^^* 次の時もぜひ！よろしくお願いしますっ！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - このスピードで進んでいくのがとっても好きでした！素敵な時間をありがとうございました！さっくんの方も楽しく読んでます！紺さんのペースでの更新を待ってます！ (2021年6月25日 2時) (レス) id: d1f867438f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺
| 作成日時：2021年5月3日 16時
