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「 じゃあ俺、ちょっとこれさげてくるね 」
「 …あ 」
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離れていくのが分かって、咄嗟に、お皿持って立ち上がった大我のTシャツの裾を掴む。
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「 お、っと…A？ 」
「 … 」
「 どうしたの 」
「 …いて 」
「 ん？ 」
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相当恥ずかしいことをしてる自覚は…ある。
でも、今は全部、熱のせいにしてしまえばいいから。
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「 …ここにいて 」
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弱っているせいなのかなんなのか、今は少しの時間でも離れてほしくないと思ってしまった。
反応が怖くなって目を瞑れば、
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「 …っ、あんま可愛いこと言わないで 」
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カチャリと持っていた食器を置いて、ベッドの近くに来てくれる。
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「 マジでキスしたくなるから 」
「 ……風邪移るからダメ 」
「 分かってる。治るまで我慢ね 」
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…あ。その笑い方は私も我慢してるって分かってるな。
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「 ほら、病人は寝た寝た 」
「 …どっか行かない？ 」
「 ん、ちゃんとここに居るから 」
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なんなら繋いどく？って差し出された、角張った大我の手をギュッと握ると、押し寄せてくる安心感。
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「 ねぇ大我 」
「 ん？ 」
「 …デート、したかった 」
「 ふ、夏休みまだまだあるし沢山できるよ 」
「 まぁそうなんだけど… 」
「 というか別に夏休みに限らず、これから先長いんだし 」
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焦らなくて大丈夫、って私の頭を撫でながら、優しく微笑む大我。
遠回しに、ずっと一緒に居るから、って言われてるみたいで、ニヤけそうになるのを必死に堪える。
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「 だから今Aは、治すのが最優先 」
「 …そうだね 」
「 治ったら行きたいとこ、考えといて 」
「 いっぱいあるかも 」
「 ふふ、いーじゃん、全部行こ 」
「 うん 」
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握られたままの暖かい手と、大我の柔らかくて耳当たりのいい声に、段々と眠気がやって来て。
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「 おやすみ、A 」
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私は、あっという間に夢の中へ落ちていった。
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＿＿大好きだよ
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終わり
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紺(プロフ) - にこさん» 嬉しいです！！ありがとうございます*^^* (2021年8月9日 8時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 面白かったです！完結おめでとうございます (2021年8月8日 14時) (レス) id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - わたぐもさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けた様で良かったです*^^* わわ、そっちも読んで頂いてるんですね…！更新頑張れます、ありがとうございます！！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - ティーさん» ありがとうございます！！やっと付き合ってくれました！！()いつもコメントくれてマジで支えになってました*^^* 次の時もぜひ！よろしくお願いしますっ！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - このスピードで進んでいくのがとっても好きでした！素敵な時間をありがとうございました！さっくんの方も楽しく読んでます！紺さんのペースでの更新を待ってます！ (2021年6月25日 2時) (レス) id: d1f867438f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺
| 作成日時：2021年5月3日 16時
