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私の言葉に北斗は少し目を見開いた後で、あの澄まし顔に戻って「 気づくの遅いね 」って一言。
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「 ここで座り込んでてもあれだし、どっか行こうよ 」
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ほら、と手を差し出してくれたから、遠慮せずに掴んで立ち上がる。
どっか行こうよ、ってことは、話聞いてくれるつもりなのかな。
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「 と言っても、特に良い場所思いつかないから教室でいい？ 」
「 うん 」
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頷いた私を見て、じゃあ行きますか、と歩き出す北斗。
その背中を、少しだけ距離を置いて追いかける。
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「 北斗はさ 」
「 ん 」
「 何で私が大我のこと好き、って分かったの 」
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ずっと気になっていたことを口にすれば、なんだそんなことか、って振り向いた北斗は笑う。
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「 あの時の天王寺の表情 」
「 え？ 」
「 自分で否定しといて、今みたいな顔してるから 」
「 …今、みたいな？ 」
「 苦しい、って顔 」
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ウソ。私、そんなに顔に出てたんだ。…大我も多分、それで心配してくれたんだろうな。
色々考えてたとはいえ、急に申し訳なさが募る。
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「 で、今日は何でそんな顔してんの 」
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人通りがない廊下に、北斗の声と2人分の足音だけが響く。
どこまで踏み込むべきか迷って口篭ったけど、ちゃんと話さなきゃこの気持ちも晴れないよな、って。
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「 前にさ 」
「 うん 」
「 大我に酷いことした、って私に言ったじゃん 」
「 …うん 」
「 あれってさ…北斗の彼女さんのことと、関係ある？ 」
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私の言葉に、北斗は何も答えなかった。
やっぱり言い過ぎたかなって不安になりながら、そのまま階段を上がって、4組の教室の前に。
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「 …京本から何か聞いたの？ 」
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ガラガラと教室のドアを開けて入った後で、北斗はこちらを振り返らずにそう言った。
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紺(プロフ) - にこさん» 嬉しいです！！ありがとうございます*^^* (2021年8月9日 8時) (
レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 面白かったです！完結おめでとうございます (2021年8月8日 14時) (レス) id: d0206497b3 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - わたぐもさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けた様で良かったです*^^* わわ、そっちも読んで頂いてるんですね…！更新頑張れます、ありがとうございます！！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - ティーさん» ありがとうございます！！やっと付き合ってくれました！！()いつもコメントくれてマジで支えになってました*^^* 次の時もぜひ！よろしくお願いしますっ！ (2021年6月25日 12時) (レス) id: 55c78b94af (このIDを非表示/違反報告)
わたぐも(プロフ) - このスピードで進んでいくのがとっても好きでした！素敵な時間をありがとうございました！さっくんの方も楽しく読んでます！紺さんのペースでの更新を待ってます！ (2021年6月25日 2時) (レス) id: d1f867438f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺
| 作成日時：2021年5月3日 16時
