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「 さっきから聞きたかったんだけど、それどうしたの 」
きょもが私の手にあるボトル缶を指さす。ペットボトルのカフェオレ、じゃない方。
「 A、コーヒー苦手じゃなかった？しかもブラックじゃん 」
え、Aちゃんそうなの？って、確認とってくるじゅったんにコクコクと頷く。
「 間違えて押した 」
「 バカじゃん 」
「 うるさいな 」
「 あのボタン間違えるとかあるんだ 」
「 え。こーち急に辛辣 」
「 Aちゃんって案外抜けてんだ？ 」
「 ……ディスってるでしょ 」
「 え！ディスってないよ、ただ可愛いな〜って 」
ん？って首を傾げれば、同じように首を傾けるじゅったん。
あぁ、そういえばモテるんだっけか、この人。
「 とにかく、飲めないからこれ誰かあげる 」
「 あ、スルー？笑 」
「 俺無理 」
「 俺もいいかな 」
「 じゃあじゅったんよろしく 」
「 おい。いや全然飲むけどさ！ 」
可愛いって多分、簡単に言えちゃうタイプの人だ。ちょっとでも思ったら口にするみたいな。
偏見かもしんないけど、女の子相手なら誰でも言ってそう。スルーが正しい。
「 これ、何円だった？ 」
「 え、いーよそんなの。押し付けただけだし 」
「 いやいや、女子から金取るわけにはいかないから 」
大丈夫だって。いやダメだから。いいってば。俺が良くない。
そんなやり取りを永遠と繰り返していると、心底めんどくさそうな顔をしてるきょもが「 じゃあ今度樹がなんか奢ってあげれば？ 」って一言。
「 あー、そういう手もある。Aちゃん、それでいーい？ 」
だから気にしなくていいのにって思ったけど、多分頷かないと引いてくれないだろうなって観念して、「 いーよ 」って答える。
「 ん、約束な？ 」
「 うん 」
コーヒーを飲むじゅったんは、どこか嬉しそうで。
ブラック飲めるの大人だな〜、なんて思いながら眺めてたら、やっぱり思い浮かぶ、黒髪くん。
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作者名：紺
| 作成日時：2023年4月24日 15時
