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を ページ4
おいで、と手招きすると、目の前の小さな猫は私の手に身を擦り付けた
放課後
なんとなく図書室で本を読んでみて
なんとなくいつもと違う道から帰ってみた
すると、可愛らしい子猫を見つけた
まぁちょっとくらいならいいでしょ、と思い、
お邪魔しまーすと言って猫のいる家の庭に座った
猫って何食べるんだっけ、と考えて、私はキャットフードをあげた
何処から取り出したか、とかは考えないでほしい
しばらく猫と戯れていると、背後から声がした
「……篠宮ちゃん？」
『あ、及川先輩』
そうか、もうそんな時間か
図書室で長く本を読みすぎちゃったかな
最近はやりのサスペンスが案外面白かったのだ
「そこ、俺ん家なんだけど」
目の前の家は以前一度だけ来たことのある及川家であった
『じゃぁ、この猫も先輩のとこのですか？』
「そ、だけどまだ名前決まってなくてね」
じゃぁ、私が決めてあげよう、と抱えていた猫を高々とあげた
猫の後ろには怪訝な顔をした及川さんがいる
…あれ？似てない？
茶色の毛並みに透き通ったまん丸の瞳
持ち上げられたのが不満だったのか少し嫌そうな顔
よし
『今日からお前は及川先輩二号だ』
「ダサくない⁉」
及川先輩と顔を見合わせ、プッと同時に吹き出した
こうして二人で笑いあったのはいつぶりだっただろうか
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作者名：奏 | 作成日時：2021年11月11日 1時
