今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:1,615 hit
小｜中｜大
蝶が五頭 ページ6
『？…あら？誰か居たのかと思ったのだけど…』
……あっぶない‼
咄嗟に隠れてしまった…
気付かれたかと思ったが、彼女はあまり気に留めなかったようで、
また優しく微笑み、歌を歌い始めた
切なく儚い、透き通るような声
目を離すと今にもその歌声は途切れてしまいそうだ
俺は脳に焼き付けるようにその歌声に聞き惚れた
『蝶さん達、そろそろお家に帰りましょう』
姉さんやカナヲ達が待ってるわ、
そう言って去っていった彼女を見ながらハッと気が付く
あれ？俺どのくらい居た？
来たときは夕焼け空だったのに、辺りはもう真っ暗になっていた
急いで鞄からスマホを取り出し、電源をつける
ロック画面には、ミリオと波動さんと撮った写真の上に、
ゴシック体で２０：０３と記載されていた
『は、八時…⁉』
今日は土曜のため授業は六限まで
特に用事はなかったため終わり次第直ぐに学校を出た
ヴィランが出たとしても遅くて四時半までには片付いてた…
……てことは、
『そんなに居たのか、俺…』
確かに、あの子は綺麗だった
思い出して頬に熱が溜まるくらいには
…けど、三時間弱だ
流石に自分自身に引く
プルルルル、プルルルル
なんてことを考えていると、スマホが振動した
「げ…」
見ると、母からの電話
…嗚呼、これは死んだなぁ
意を決して通話ボタンを押した
「もしもし、母さ〔環ぃぃぃ‼アンタこんな遅くに何処ほっつき回ってんの！？！？！！？？〕」
キンキンなる耳を抑える
今から帰るとだけ告げ、俺は携帯をしまい、帰路に急いだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 | 作成日時：2021年11月26日 0時
