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蝶が三頭 ページ4
＿＿＿＿＿ふわり
甘い匂い
「あらあら、大丈夫ですか？」
「蟲柱様だ…‼」
「顔面カンストしてね？」
「綺麗…」
「俺初めて見た…‼」
ハッと気付くと、紫色の瞳がじっと此方を見ていた
「あ、えと、大丈夫です」
「そうですか」
この人は確か、プロヒーロー、蟲柱
鬼殺隊というグループに所属している
このグループは皆、顔面偏差値が高い、というか、最早画風が違うらしい
そんな人が俺なんかに、話しかけた…？
…あ、無理
うん、違う
あの人はただのじゃがいもだ
人間だって哺乳類で動物だし平気平気
自分に言い聞かせながら、いつの間にか隣にいたミリオに話しかけた
「ねぇ、ミリオ、捕まったの？強盗」
「うん‼蟲柱が来てなんか瞬きしたらヴィラン拘束されてたんだよね‼」
え…怖
「蟲柱、胡蝶しのぶと申します」
広がる歓声
鳴りやまない拍手
普段の俺なら拍手してただろう
けど、
目の前を横切ったあの蝶が
脳裏から離れない
＿＿＿＿＿＿＿レテノールモルフォ蝶
世界一綺麗な蝶
いつかも何処でかも忘れた
だけど、昔一度だけ見たことのある
追いかけなきゃ
謎の使命感に浸される
「ミッ…リオ…‼ごめん、先帰ってて‼」
「環？何処に行くんだよね⁉」
ミリオの声を聞き流して、俺は青い蝶を追った
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作者名：奏 | 作成日時：2021年11月26日 0時
