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"高校生の頃、良く行ってたファミレス覚えてる？あのファミレスに1時集合。"
午後1時って言ったって、あと30分程しかない。自分の姿を鏡で見たら、寝起き感が半端ない。(大先生にはこの姿をみられたのだが)
流石に女には見せられないだろう。大至急、身支度を整える。
服やらなんやらを整えて外に出る。時は45分。あと15分で行けるか？車を走らせても十何分かはかかるだろう。
しかし、行くしかない。
「悪い、待たせた」
「ううん、大丈夫」
やはり、3分ほど待ち合わせに遅れてしまった。彼女はもう席に座り、カフェオレを飲んでいた。
彼女の向かい側に座り、自分も珈琲を頼む。予めシュガースティックを用意しておく。
「急にゴメンね。折角の休日なのに」
「いや、ええんよ。俺も暇やったし」
「ふふっ、優しい所も変わらないのね」
「Aだって変わらへんよ」
「え？何処が？」
「……そういうところだよ」
そういうところってどういうところ？と顔を覗き込んでくる。止めてくれ、もう高校生の自分達ではないんだ。もう、俺達は大人なんだ。
「…で、何を買いたいんや？」
「あ、そうそう。あのね、アクセサリーを買いたいの。グルちゃん、お洒落な物付けてるじゃん？」
「あー、そうやな」
「多分、グルちゃんのはドイツの叔父さんから送られてきてる奴だからめっっちゃ高いブランドの奴だと思うのね？」
「うん」
「だけど、私にはそんなもの買えない！」
「そうやな」
やけに熱く語られる。しかも、私にはそんなもの買えない！と言うところに凄い気持ちがこもってる。
「だから、最近人気のアクセサリーを組み合わせるものを買いたいの」
「ほー。そんなものあるんやな」
「うん。でも、グルちゃんの好きそうなものが良く分からないから、トン君に来てもらったの」
「なるほどな」
好きそうなものが良くわからないと言うが、本当はそんなことはないのだろう。ただ、もし気に合わない物を買ってしまったらどうしようという不安があるんだろう。
彼は決してそんなことは言わないのに。
「んじゃ、その店行こか」
「うん。あ、ちょっと待って！カフェオレ飲むから！」
「おう」
Aが残っていたカフェオレを全部飲む。そういえば俺もあまり珈琲を飲んでいなかった。残っている珈琲はまだ生暖かった。
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