【実.況.者】懺悔【wrwrd】 (ページ3)

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2.不器用ページ3

空気の乾いたある日、俺は外出していた。
さほど重要な用ではなかったので、午前中には用事を済ませられた。

「寒っ……」

北風が吹き、思わずマフラーに顔を埋める。思えばもう12月上旬。もうすっかり秋の涼しさも消え、冬の寒さに浸っていた。
辺りを見渡すと早くもクリスマス一色。彼方此方でクリスマスツリーやらサンタの置物。セールの張り紙までもが出ていた。

ふと、高校生の頃を思い出す。この季節になると、誰かの家に集まり(大体は大先生の家なのだが)どんちゃん騒ぎをしていた。
今思えば誰も彼女を作らなかったのだろうか。

何処からか12時の鐘の音が聞こえる。そういえば今、自分が腹が減っていることに気付いた。
辺りを見渡し、ファーストフード店があるかを探す。
流石、都会。3分も歩けば直ぐにファーストフード店が見つかる。腹が減ったので入ろうとすると、背後から声が聞こえた。

「トン、君？」

聞き慣れた声だった。もしかして？浅はかな期待がを持ちながら後ろを振り返ると、やはり、あの子だった。

土日だが、ピシッと決まった灰色のスーツ。首元にはクリスマスカラーのマフラー。茶色の手袋。思いっきり仕事帰りのOL、って感じだが、滲み出る雰囲気が昔と変わっていなかった。

俺が振り向くと、声を掛けてきたのは彼女の方なのに、やっぱり。と目を丸くした。思わず、笑みが零れる。

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