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見れば、そらるさんとluzさんもよそ行きの格好をしていて、トートバッグを足元に置いている。
｢今日、何かあるの？｣
｢5人かな？昼に打ち合わせが入ってるよ｣
｢5人｣
96猫さん曰く、そらるさん、まふまふさん、天月さん、nqrseさん、luzさんの5人が、夏に控えたXYZのライブの打ち合わせをしに行くらしい。夜遅くまでかかる見込みで、昼と夜はせっかくなら外食をしようと、途中で彼女は思いついた。
＿＿なんだ、じゃあ今日は他の人と距離を縮めることはほぼ不可能に近いのか。打ち合わせがない、私を除いた3人とはもう既に仲良くなっている。朝あれだけ考えたのは無駄足だったか。
まふまふさんとSouさんが、同時に階段を降りて来る。
｢おはよう〜｣
Souさんは眠そうな声で言う。数人はそれに反復する。彼はそのままカップヌードルをすするEveさんの隣に座り、肩に自らの頭を乗せて目を閉じる。
｢おねむさんだねぇ｣
｢昨日3時くらいまで作業してたよ……何とか今日投稿できそ……｣
｢おつかれ。頑張ったねぇ｣
EveさんとSouさんの会話を聞いていると、時間がゆっくり進んでいるような感覚になる。
数十分後には5人は打ち合わせに行き、家の広さの割に合わない人数で、沈黙は無いが閑散としている。
｢どうしようかね？皆特に予定は無いでしょ？｣
96猫さんは腕を組んで言う。今はちょうど春休みの時期だ。課題以外に抱えているものはない。録音が配信くらいだろうか？とはいえマイクは持ってきていない。私に今できることは無い。
｢私はないよ｣
｢僕も無いかな｣
｢ぼくは……6時に投稿する…………夜は配信……｣
Souさんはもう眠気の限界を迎えている。半ば寝ぼけながら答えた。
｢皆で配信しない？変なメンツだから視聴者数多くなるかもよ｣
……確かに、変なメンツだ。EveさんとSouさん、96猫さんと私のペアなら想像はできるが、そのふたつが一緒になるのは斜め上だろう。
｢いいかもね。とはいえSouちゃんは難しいかも｣
｢ぼくは……ねてから…行けたら行く……｣
｢それ来ない人のセリフなんだよ｣
96猫さんは笑いながらつっこんだ。
結局午後からはコラボ配信をすることになった。それまでは各自自由に過ごすことに決まった。
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作者名：たなか | 作成日時：2022年11月29日 2時
