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「お題にそって短歌を作ってみましょう。
ラスト七文字を『触手なりけり』で締めて下さい」
5時間目の国語の時間。
短歌を学ぶ授業で、実際に私達も短歌を作ってみることになった。
ただし、とても作りにくい条件付きで。
「書けた人は先生のところへ持ってきなさい。
チェックするのは文法の正しさと触手を美しく表現出来たか。
出来た者から今日は帰ってよし！」
「触手だったんだなぁ」で綺麗にまとまる短歌なんて存在するんだろうか。
ちなみに教室の前の方では触手は季語なのか否かの議論がなされていた。確かに気になる。
殺せんせーが例を挙げてくれたけど、その短歌は百人一首のパクリだった。それで良いんか先生。
あ、磯貝君が頭抱えちゃってる。でもイケメンだから絵になってるんだなこれが。
「そんなの思いつかない」と不満を訴える陽菜乃ちゃんに皆で全力で同意する。
先生は「素晴らしい句が湧いてきませんか？」なんてヌルヌル言いながら私達に語りかけて、前原君に「ヌルヌルうるさい」と一蹴されていた。
うーん、と首を捻りながら考える。
五七五七までは何とか作れるんだけど、どれも上手く触手なりけりに繋がらない。
でもうかうかしてると渚君がパーンしちゃうからなぁ、なんて。
「先生しつもーん」
「…？
何ですか茅野さん」
「今さらだけどさあ、先生の名前なんて言うの？
他の先生と区別する時不便だよ」
ああでもない、こうでもないと悩んでいる時に聞こえた先生とカエデちゃんの会話。
え、マジでそろそろじゃんどうしよう。
別に、渚君を止めようとかそんなことは微塵も考えてない。いや言い過ぎた嘘です、ちょっとは心配してる。ホントに。
でも渚君がパーンしちゃった後、帰ることが出来るのは短歌が出来た人じゃなくて先生を殺せた人から。
先生を殺すことが出来ないのは当然で、そうなると私はめちゃくちゃ困る。
なんで困るかって？それは私の筆箱の中に入っている今日のおつかいメモがヒント。
買わなきゃいけないものが箇条書きされていて、そのうちのいくつかには赤ペンで下線が引いてある。
そしてメモの右下のスペースには、少し大きめの"15時から!!"という赤い文字。
『……スーパーのタイムセール3時からなんだよねぇ』
短歌が出来次第、先生に提出し添削をして貰えればタイムセールには間に合うんだけど、殺せた人からとなると、早くてもチャイムがなるまでは帰れない。
そうなるとタイムセールには間に合わなくなる訳で。
早く、帰りたい。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - とっても面白いです！ (12月26日 11時) (
レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - みの字さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません💦そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年11月29日 14時) (レス) id: 720e88b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
みの字(プロフ) - とても読み応えがあってすごく面白いです！！BIGLOVE... (2022年9月3日 15時) (レス) id: e0f77146da (このIDを非表示/違反報告)
リース(プロフ) - そうなんですね！楽しみに待ってます！ (2021年4月28日 19時) (レス) id: 6559b789f7 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - リースさん» そう言って頂けて嬉しいです！大変申し訳ありません、続編は修正が完了していない為パスワードを掛けさせて頂いております。修正が完了次第公開しますので、今しばらくお待ちください。 (2021年4月27日 19時) (レス) id: f9e6e07d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘茶 | 作成日時：2018年7月6日 15時
