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＿＿才能の種類はひとつじゃない。
君の才能に合った暗殺を探して下さい。
その先生の言葉に、杉野君の顔が明るくなった。
希望を見つけたような、そんなキラキラした瞳。
「肘や手首が…俺の方が…
俺の…才能か…」
嬉しそうな彼の顔を見たのは久しぶりだ。
部活動を頑張っている時も、こんな表情はほとんど見たことがなかったから。
私は無意識のうちにポケットからスマホを取りだして彼を撮っていた。
カシャ、とスマホから音が鳴る。
音に気付いた杉野君が少し恥ずかしそうに笑った。
「撮るなよ、今絶対間抜けな顔してただろ」
『ううん、すっごく良い顔してた』
多分過去一と言えば、大袈裟だとまた彼は笑って。
そんな彼を見て、ふいにこの世界にはいない幼馴染を思い出した。
『杉野君は、多分恵まれてるよ。
野球してる人って、肘とか肩とか、手首もそうだけど、痛めちゃう人多いじゃん。
だから、関節が柔らかいってそれなりに武器だと思う』
あまり詳しくないから、言えないけど。
そう言いながら、自分の爪先に視線を落とす。
それから、あ、とあることを思い出して杉野君に向き直る。
別に私から言われなくてもやってるとは思うけど、なんて前置きをしながら口を開く。
『ストレッチとか、ちゃんとしないとダメだよ。
柔らかいからって、酷使したら結局壊しちゃうから。
それから…』
「ははっ、成瀬詳しいんだな」
意外、と言った杉野君が童顔をよりいっそう幼くさせて笑うから。
不覚にも、きゅんとしてしまった。
「兄弟が野球してんの？」
『いや、近所の仲良かったお兄ちゃんがしてたんだ』
「そっか」
心配してくれてありがとな、と言った彼は本当に好青年で。
なかなか落ちない神崎さんはしぶといなぁなんてお節介なことを考えた。
「そう言えば、成瀬って殺せんせーに課題出すつもりだったんだろ？
渚も殺せんせーもどっか行ったけど大丈夫か？」
『え？あ、嘘』
やば、と言った私にまた笑った杉野君。
今度は私が彼に心配されてしまった。
ごめんありがとうと彼にお礼を言って、私はその場を後にした。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - とっても面白いです！ (12月26日 11時) (
レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - みの字さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません💦そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年11月29日 14時) (レス) id: 720e88b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
みの字(プロフ) - とても読み応えがあってすごく面白いです！！BIGLOVE... (2022年9月3日 15時) (レス) id: e0f77146da (このIDを非表示/違反報告)
リース(プロフ) - そうなんですね！楽しみに待ってます！ (2021年4月28日 19時) (レス) id: 6559b789f7 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - リースさん» そう言って頂けて嬉しいです！大変申し訳ありません、続編は修正が完了していない為パスワードを掛けさせて頂いております。修正が完了次第公開しますので、今しばらくお待ちください。 (2021年4月27日 19時) (レス) id: f9e6e07d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘茶 | 作成日時：2018年7月6日 15時
