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つい渚君に声を掛けてしまったけど、大丈夫だったかな。
先生に渚君の計画がバレなかったかな。
私、上手く笑えてた？
* * *
「あ、A待って。ヘルプ」
『ん、どうしたの？』
渚君とすれ違い、自分の席に帰る途中で莉桜ちゃんに助けを求められ、彼女の色紙を見ながら歌を考えていた時だった。
不意に聞こえたヒュンっという何かが空気を切る音と、パシっという何かを受け止める音。
それらに釣られて顔を上げたのがいけなかった。
視界に入ってきたのは、殺せんせーに抱きつく渚君。
あ、やばいと思った時にはもう遅く、瞬く間に渚君の首にぶら下がっていたBB弾グレネードが爆発した。
バァンとすごい音がして、すごい数のBB弾が辺りに飛び散る。
前から2番目の莉桜ちゃんの席にもBB弾は飛んできた。
教室中から上がる悲鳴と、BB弾が辺り一面に飛び散り、跳ね返る音。
それから、寺坂組の歓喜の雄叫び。
初めてみたグレネードの威力はすごくて。
でもこれ先生が威力殺してこれなんだって思い出した時、本当の威力はどんなものだったのかを想像してゾッとした。
こんなもので、渚君は自爆行為を。
『っ、渚君!!』
私は顔にBB弾が当たるのも厭わず叫んでいた。
寺坂君達よりも早く彼の元へ走り、名前を呼ぶ。
いくら彼が無傷であるのを知っているとは言え、怖いものは怖い。
「寺坂!!」
「何やったんだ！」
「ちょっと！
渚に何持たせたのよ！」
寺坂君達への批難の声があちこちから上がる。
渚君と一番仲が良いと言っても過言ではないカエデちゃんの言葉に、寺坂君は改造したお手製グレネードについて語りながら渚君の元へ歩いてくる。
『渚君、大丈夫？頭打ったりしてない…？』
「…う…」
「どけよ成瀬。
人間が死ぬ威力じゃねーよ。
俺の百億で治療費ぐらい払ってやらァ」
そう言った寺坂君は、私を押し退けて渚君の近くへ寄った。
「……？
なんだ、この膜。
タコの死体に繋がって、」
渚君を様子を近くで確認して初めて、彼を覆っている先生の皮に気付いた寺坂君。
そして、それとほぼ同時に天井から降ってきた、静かな静かな声。
「実は先生、月に一度ほど脱皮をします。
脱いだ皮を被せて威力を殺した。
つまりは月イチで使える奥の手です」
途端にザワつく教室。
反射的に皆が上を向くけど、そこに張り付いている先生の顔はよく見えない。
＿＿だけど、皆すぐに悟った。
先生の顔色は、顔色を見るまでもなく。
真っ黒。
＿＿つまり、ド怒りだ。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - とっても面白いです！ (12月26日 11時) (
レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - みの字さん» 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません💦そう言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年11月29日 14時) (レス) id: 720e88b2d3 (このIDを非表示/違反報告)
みの字(プロフ) - とても読み応えがあってすごく面白いです！！BIGLOVE... (2022年9月3日 15時) (レス) id: e0f77146da (このIDを非表示/違反報告)
リース(プロフ) - そうなんですね！楽しみに待ってます！ (2021年4月28日 19時) (レス) id: 6559b789f7 (このIDを非表示/違反報告)
甘茶(プロフ) - リースさん» そう言って頂けて嬉しいです！大変申し訳ありません、続編は修正が完了していない為パスワードを掛けさせて頂いております。修正が完了次第公開しますので、今しばらくお待ちください。 (2021年4月27日 19時) (レス) id: f9e6e07d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘茶 | 作成日時：2018年7月6日 15時
