ハナミズキ (ページ32)

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A side.

病院に向かうと冷たくて暗い霊安室という部屋に案内された。

「..........涼..........太.................」

そこには穏やかな顔をして眠る涼太がいた。

傷だらけで服も血だらけで

きっとすごくすごく痛かったと思う。

「涼....太........？起きて.....？ねえ....っっ.....」

いくら揺すっても声をかけても目を開けない。

いつもみたいにAって優しく呼んで笑ってほしいのに。

涼太母「Aちゃんっっ.......これ.....涼太のポケットにね？入ってたのっっ.......」

涼太ママが渡してくれたピンク色の可愛らしい小さな箱だった。

涼太母「....Aちゃんに会いに行ってくるってすごく.....すごく幸せそうな顔をして家を出ていったのあの子.....」

.....涼太はあの日私に会いに来ようとして.......？

「っっ.....ごめんなさいっ.....私のせいで...！！」

涼太が死んだのは私のせいだ。

私と出会っていなかったら

私と付き合っていなかったら涼太は

きっと今も死なずに生きていられたのに。

涼太母「違う...！！それは違うからっっ...Aちゃんに出会えてあの子は幸せだったの..........それ大切にしてあげてちょうだいね」

私のせいで涼太は死んだのに優しく笑ってくれる涼太ママの顔ちゃんと見れなくてただただ俯いて頷くことしかできなかった。