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大寿「どうした？」
大寿の問いかけに、前方を向いていたAは振り返る。
すると何故か彼女の瞳から涙が溢れ、ソファにポタポタと水跡を付けた。
珍しい彼女の行動に大寿は困惑し、もう一度尋ねようと口を開く＿＿が、突如彼女が抱き着いた為、それは叶わなかった。
「……良かった…」
"何が"とは聞かず、大寿はあえて彼女の言葉を待つ。
「…イヌ君がね、大寿君の事殺しちゃう夢を見たの…」
聞けば、その場には居合わせなかったのだが、乾がAの自宅へ訪問し「コレで大寿を殺した」と懐から銃を出したのだという。
夢の中のAは乾が来た時からその事を察していたらしく、"大寿と同じようにソレで自分を殺してくれ"と笑みを浮かべながら乾に頼んだらしい。
だが乾は渋り、そんな彼を気遣って、彼の手を使い引金を引いた所で夢が覚めた＿＿というわけだ。
「イヌ君がそんな事する訳ないのにね。」
大寿「…なんでだ。」
「え？」
Aは顔を離すと、大寿と目を合わせる。
大寿「なんでお前まで死ななきゃならねぇ？」
「…だって大寿君がいない世界なんて、意味ないもん。」
Aはそう言って、再び大寿の肩口に顔を埋める。
大寿はAの背に手を回すと、なだめるようにゆっくりと擦った。
「大寿君…」
大寿「なんだ？」
「私を置いて、いなくならないでね…」
大寿「…馬鹿か。」
大寿は鼻を鳴らし、静かに口角を上げる。
Aの背中を撫で続ける彼の手は、言葉とは裏腹に、ゆっくりと優しいモノだった。
＿＿＿＿＿
12月25日、クリスマス。
Aは昼前に起き、部屋でゆっくりと出かける準備をしていた。
化粧を終え鏡で最終チェックをしていると、部屋のドアがノックされ、母親が扉を開け顔を覗かせる。
母親「今は降ってないけど、夜から雪降るみたいだから気を付けるのよ。」
「はぁーい。ねぇママ、コレどう？」
Aは身に纏ったワンピースを見せるべく、くるりと一周してみせる。
これはこの日の為に買っておいたモノで、Aは着るのをとても楽しみにしていたのだ。
母親「可愛いわよ。あらコレ、背中チャックタイプなのね？」
「うん……なんでニヤニヤしてんの？」
母親「べっつに〜？ただ大寿君が脱がせる時、楽そうだなぁと思って。」
「っ、ママっ！」
顔を真っ赤にする娘に、母親は一層可笑しそうに笑う。
そして手に持った小さな袋を、大寿へのクリスマスプレゼントだと言ってAに渡した。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます！もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (
レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面！！だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです！ (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子持ちししゃも | 作成日時：2022年5月7日 16時
