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Aは負けたと呟きながら、未だ咳き込んでいる花垣の前にしゃがみ、笑って手を差し出す。
「私、八戒の姉の柴田A。よろしグェッ!」
大寿「よろしくすんな。」
大寿は花垣と握手をしようとするAの顎を掴み、真上を向かせた。
「いだだだ!ギブギブ!顔もげる!」
大寿「安心しろ。こんな事で顔がもげたヤツはいねぇ。」
「じゃあ私がその第一号になっちゃうじゃん!」
Aは大寿の手を外して立ち上がり、彼の手を軽く叩く。
後ろでは九井が、先程のAが蛙みたいだと可笑しそうに笑っていた。
大寿「オイ、お前は先に中入ってろ。」
「え?あー、うん。あ、ちょっと待って。」
Aは柚葉の元へ歩くと、彼女の後ろに立つ日向を覗き込む。
「柚葉の友達?名前は?」
日向「あっ、橘日向です!」
「そ、よろしくね日向ちゃん。ところで彼はキミの彼氏?」
日向が頷くと、Aは「そっか」と言って彼女の頭部を撫でる。
大寿が催促するように名を呼んでいるが、Aはたいして気にする様子はない。
「先に謝っとく。ごめんね、日向ちゃん。」
日向「えっ?」
大寿「A!」
「もう〜ちょっと待ってってば。」
Aはバッグから何かを複数取り出すと、日向に握らせる。
日向が手を開くと、それは大きめの絆創膏や湿布だった。
Aは「またね」と微笑み、大寿の元へと戻る。
そして隊員に持たせていた買い物袋を受け取ると、家の中へ入って行った。
リビングのソファでお手伝いさんに淹れてもらった紅茶を飲んでいると、玄関に続く扉が開いて大寿達が入ってきた。
大寿はAの隣に座ると、湯気の立つカップに口を付けている彼女を横目で見る。
視線に気付いたAは、飲むかと首を傾げカップを少し上げる。
当然大寿はいらないと答えるが、その言い方は明らかに不機嫌なものだった。
「何怒ってんの?すぐ入んなかったから?」
大寿「別に怒ってねぇ。」
「糖分足りてないんじゃない?コレ食べてリラックスしなよ。」
Aはそう言って大寿の口元に、自分用の茎わかめの封を開けて持っていく。
大寿「コレはどっちかって言うと塩分だろ。」
「じゃあ一緒にこのマカダミアチョコ食べよ。あ、そうだ!」
イヌ君、とAは後ろに立っている乾を振り返り、買い物袋から菓子を一つ取り出して渡す。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時