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九井「ボス、今のうちに話し合いするか。あとコレはAのお菓子だ。後で二人で食ってくれ。」
あぁ、と大寿が返事をすると、二人は向かいのソファに座り、三人は仕事の話を始めるのだった。
その日の夜、柚葉が携帯に送られてきたAの写真を八戒に見せ、彼が悲鳴を上げ半泣きしたのは言うまでもない。
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11月某日__久々に実家に寄るという大寿に付き合い、Aは彼と、彼の部下数名と共に歩いていた。
途中コンビニに寄り菓子を買い、Aは大寿と腕を組みながら家へと向かう。
「大寿君、10回クイズしよう!」
大寿「やらねぇ。」
「えぇ〜いいじゃん。ねぇ、"ピザ"って10回言って!」
大寿「肘。」
大寿が間髪入れず答えると、Aは不満げに口を尖らせる。
「なんで答えを先に言うの?」
大寿「時短だ、時短。」
「クイズの意味ないじゃん。ねぇ?」
Aは後ろから付いてくる隊員を振り返り、同意を求める。
隊員はしどろもどろになりながら、肯定も否定も出来ずにいた。
Aも彼がハッキリ答えるとは思っておらず、すぐに視線を大寿へと戻す。
「じゃあ次は……大寿君?」
大寿の様子に、Aは首を傾げる。
彼は前方に目を向け、面白いモノを見つけたかのように笑みを浮かべていたのだ。
大寿は絡んでいたAの腕を外すと、一目散に走って行く。
「あ、ちょ…行っちゃった。つまんないからしりとりしながら行こう。」
Aは隊員を振り返り、有無を言わさずゲームを始める。
隊員達も大寿がいないと気が楽なようで、先程までの緊張感がなくなり、すんなりとゲームを受け入れた。
隊員「小松菜。」
「えー、な…な…」
Aが次の単語を考えている時、柴家のある通りに到着した。
"東卍壱番隊隊長の花垣武道"という九井の言葉に反応し、Aはそのまま通りへ出て話に混ざる。
「なんだ、東卍って事は八戒のお友達じゃん……あ!」
"ん"が付いた、と頭を抱えるAに、後から来た隊員は首を傾げる。
どうやら彼女は、会話もそのまましりとりとして続けたつもりでいたようだ。
花垣(誰だ?この人…)
花垣は大寿から受けたラリアットのせいで咳き込みながら、この場に似合わない空気を醸し出す彼女を不思議に思い見上げる。
ピリついた状況でしりとりの話をする人間など、Aぐらいなので当然だろう。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時