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柚葉「何か用ですか?」
男「いえ、これと言って用はないのですが、柚葉さんをお見かけしたのでお茶でもいかがかと思いまして。そちらの可愛らしい方はお友達ですか?」
男性は目を細め、柚葉の後ろに隠れたAに目を向ける。
柚葉「悪いけどアタシ等忙しいん」
男「確か……キミのお兄さんの恋人、ですよね?」
柚葉の息を呑む音が聞こえ、Aは不穏な空気を感じ取った。
男性は柚葉の隣まで来ると、後ろのAに上品な笑みを向ける。
男性「初めまして、私は柴君と少々付き合いのある今野と申します。お嬢さんのお名前をお伺いしても?」
「山田花子です。」
今野「…こんなにわかりやすく偽名を使うとは……ねぇ?"柴田A"さん?」
「知ってるなら聞かないでもらえますか?」
彼_今野はどこから調べたのか、Aのフルネームを知っていた。
只者ではないと感じたAは一歩下がり、彼から少し距離を取る__が、今野は逃さないとばかりにAの手を握ると、その甲にそっと唇を落とす。
今野「このような可愛らしい恋人がいるのに紹介してくれないとは……柴君は貴方を、余程取られたくないらしい。」
「一つ訂正しますけど、私は大寿君の恋人じゃありません。」
Aは握られた手を払い避けると、バッグからウェットティッシュを取り出し、口付けられた箇所を赤くなる程擦り拭く。
Aの言葉に今野は目を丸くし、直後胡散臭い笑みを浮かべて、自身の顎を擦った。
今野「おやおや、嘘はいけませんね。貴方は柴君がとても大切に扱っている、たった一人の女性じゃありませんか。」
「何処からの情報かは知りませんが、又聞きした情報を鵜呑みにすると痛い目見ますよ。」
男「テメェ、アニキに向かってなんて口きいて…!」
隣にいた男がAに詰め寄ろうとすると、今野は視線をAに定めたまま、「辞めなさい」と彼を制する。
男は不服そうに下がるが、未だ視線はAを睨み付けたままだ。
今野「又聞き、というわけではないのですが…貴方がたに近しい人物からお伺いしたもので。」
「そうですか。なら余計な事言わないうちに、お口を縫っておかなきゃいけませんね。」
今野「フフ、それは恐ろしい。」
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時