検索窓
今日:14 hit、昨日:29 hit、合計:198,412 hit

22 ページ23

眠る前に飲み干したのだろう、枕元にあるペットボトルは既に空になっていた。

何か飲むかという問いにAが頷くと、大寿は冷蔵庫へ行く為に立ち上がる。


「どこ行くの?」

大寿「冷蔵庫から飲み物取ってくる。」

「行かないで…」


Aは上半身だけベッドから這い出ると、大寿の脚にしがみついた。

大寿は軽く息を吐き、Aを引き剥がしてベッドへと戻す。


大寿「すぐ戻るから大人しくしてろ。」

「やだぁ、離れちゃやだぁ…三秒で戻ってきてぇ…」

大寿「わかったから布団かけとけ。」


具合の悪い時の彼女は人に甘えたがるのを知っている大寿は、言い聞かせるように布団をかけてやる。

キッチンへ行き冷蔵庫から経口補水液と、自分用にお茶を一本取り出し、Aの部屋へと戻る。

扉を開け中へ入ると、不服そうな表情を浮かべたAが、布団に包まり大寿を見つめていた。


「…三秒じゃない。」

大寿「あーわかったわかった。ほら、飲め。」


不満を口にするAを軽くあしらい、大寿はペットボトルのキャップを開け彼女に差し出す。


「飲めない…」

大寿「そんなイモムシみたいになってるからだ。」


芋虫状態になっているAの身体を起こすと、飲み口を彼女の口に当て傾ける。

液体はゆっくりと口の中へ入り、Aの喉を潤した。


Aは満足気に目を閉じると、大寿の胸に擦り寄る。

薬は飲んだのかという大寿の問いに、Aは静かに頷いた。


大寿「ゆっくり寝てろ。」

「大寿君、帰っちゃうの?」

大寿「帰んねぇよ。しばらくいてやる。」

「ん……ねぇ、」


頭を撫でて欲しいというAの要求に、大寿はそっと彼女の頭部に手を当て、ユルユルと撫で付ける。

その心地良さにAは瞼を閉じ、幸せそうな笑みを浮かべながら夢の中へ落ちて行った。



日が落ち辺りが暗くなった頃、Aは目を覚ました。

ずっと眠っていた為固まってしまった身体を、グッと伸ばして解していく。


視界の端にルームランプの灯りが見え、寝る前に付けただろうかと首を傾げ、視線をそちらへ移そうとする。

ふとベッドの脇で何かが動き、Aはドキリとして視線はそこに止まった。


ルームランプに照らされた青い髪が光り、Aはすぐに、それが自身の愛しい人だと気付く。

それと同時に眠る前の記憶が朧気な彼女は、何故彼がここにいるのかと、嬉しい半面驚いてもいた。

23→←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (377 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
875人がお気に入り
設定タグ:東京リベンジャーズ , 柴大寿   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。