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12月24日、クリスマスイブ。
大寿が自室で本を読んでいると、携帯が振動し着信を知らせた。
画面を開けば、着信の相手はAの母親からだった。
大寿は通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
大寿「……わかりました。」
通話を終えると、大寿は上着を着て部屋を出た。
柴家から歩いて数分後、着いた先はAの家だった。
大寿がインターホンを押すとAとそっくりの、優しそうな女性が扉を開けてくれた。
この女性が、Aの母親だ。
彼女は「いらっしゃい」と言って大寿を招き入れると、スリッパを脱いで靴を履く。
母親「Aは部屋で寝てるわ。冷蔵庫に飲み物入ってるから、適当に飲んでね。」
「帰りは何時ぐらいに?」
母親「日は跨ぐかも……二人っきりだからってヤラシイ事しちゃ駄目よ?してもいいけど、するならちゃんと避妊してね?」
ニヤつきながら腕を突いてくる母親に、大寿はため息をつき彼女の背中を軽く押す。
大寿「阿呆な事言ってないでさっさと行って下さい。」
母親「ふふ、じゃあお願いね、大寿君。」
母親は笑って手を振ると、「いってきます」と扉を閉め出て行った。
彼女の仕事は料理研究家で、これからクリスマス番組の生放送なのだ。
熱を出してしまったAを一人にしていくのが心配で大寿に連絡が行った、というわけだ。
ちなみにAの父親はディレクターで、独身時代彼女が出演した番組を手掛けたのが切っ掛けで、二人は交際に発展したらしい。
大寿は靴を脱ぎ洗面所で手を洗うと、Aの部屋へと向かう。
軽くノックをして中へ入ると、臍を出し大の字で眠っているAが目に入った。
ベッドの脇には、Aにかかっていたはずの布団が落ちている。
「また蹴飛ばして寝てる」と大寿は心の中で呟きながら、布団を拾い上げAにかける。
肩までかけてやるとAは唸り声を上げ、布団を蹴飛ばし寝返りをうつ。
大寿はため息をつき、布団を再びAにかける__が、先程同様、Aは脚を動かし身体に外気を触れさせようと布団を蹴飛ばした。
これを数回繰り返しているうち苛立った大寿は、Aの顔を目掛け布団を投げ付けるように被せる。
「んぅ…あつ、い…」
Aは布団を捲り薄っすら目を開けると、大寿の顔を見て嬉しそうに笑う。
「ふふ…大寿君だぁ…」
手を伸ばし大寿の顔を撫でる彼女の手はとても熱く、頬の赤みからも熱が高い事が容易に分かる。
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子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時