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キラキラと輝くそれらを目の当たりにし、Aは映画そっちのけで、嬉しそうに食べる準備を始める。
キッチンから皿とフォークを二つずつ取ってくると、大寿に箱を向けた。
「ねぇねぇ、どれがいい?」
大寿「好きなの食え。」
「大寿君の誕生日なんだから、まず大寿君が選ぶんだよ。」
大寿はケーキにチラリと目を向け、モンブランとショートケーキを選択する。
Aが二つを取り分けた皿を渡すと、大寿はショートケーキに乗った苺をAの皿へと乗せた。
Aが首を傾げると、大寿は「苺はいらない」と言ってテレビに視線を移す。
「ふふ、ありがとう。チョコケーキ食べる?」
大寿「あ。」
大寿は目線だけをAに向け、口を開ける。
Aがケーキをフォークで口元へと運ぶと、大寿はその大きな口でかぶりついた。
ケーキがなくなったフォークを見つめ、Aはごくりと喉を鳴らす。
「た…大寿君と間接キス……あだっ!」
大寿「アホな事言ってねぇでさっさと食え。」
大寿に額を指で弾かれ、Aは弾かれた箇所を擦りながら口を尖らせる。
「そのうち私のおでこ、穴開くんじゃない?」
大寿「そしたら指突っ込んでやるよ。」
「きゃっ!破廉恥!」
そう笑って苺を頬張るAを尻目に、大寿は密かに口元を緩めた。
一本目の映画が終わると、ディスクを入れ替える大寿にAが声をかける。
大寿が振り返ると、Aはクッションを抱えて自身の髪の毛先を弄っていた。
大寿「なんだ?」
「来年は恐怖のラインナップはやめてね。」
映画の話をしているのだろう。
Aはホラー物が苦手な為、再生中ずっと大寿の腕にしがみついていた。
そういったモノが出てきそうなシーンになると大寿の腕で目隠しをしていたのだが、その度に彼は腕を上げ、強制的に画面をAの視界に入れようとしていたのだ。
「もっと面白いのいっぱいあるじゃん。ター○ネーターとかホーム○ローンとかさぁ。」
大寿「ホーム○ローンは冬に見るもんだろ。まぁ考えといてやる。」
「それ絶対考えないやつ〜。」
大寿が隣に戻ると、Aは彼の腿に頭を乗せ横になる。
大寿「そんな短えの穿いて横になるな。」
「大丈夫、夏だから。」
大寿「そういう問題じゃねぇ。」
大寿は今朝Aが畳んで行ったタオルケットを手に取ると、彼女の腰から下にかける。
Aは嬉しそうに笑い、視線をテレビから大寿へと移した。
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子持ちししゃも(プロフ) - うささん» コメントありがとうございます!大寿君夢ではありませんが、他にもいくつか書いていますので、お時間がある時に読んでいただけると嬉しいです🤗 (5月10日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - 大寿の夢は初めて読みましたが、めちゃくちゃキュンキュンしてます🥰!!これからも頑張ってください! (5月10日 6時) (レス) @page50 id: 7104e26302 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (2023年5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時