13 ページ14
「八戒がやりたいようにやりな。お姉ちゃんは八戒の味方だよ。」
八戒「ありがとう、A…」
「……とりあえずもう少し屈んでくれると嬉しいんだけど…脚が辛い…」
八戒が目を下に向けると、Aの爪先がバレエのような状態になっている事に気付き、慌てて頭三つ程屈む。
Aは辛くて震えていた脚を元に戻すと、買い物袋を足元に置き、ふくらはぎを揉みほぐした。
「もう!なんで八戒までこんなに身長高いの?脚長兄弟め!」
八戒「えぇっ、なんかごめん!」
三ツ谷「お待たせ…って、なにAは怒ってんだ?」
通話を終えた三ツ谷が戻ると、Aは立ち上がり彼の頭に手を置く。
突然の事に三ツ谷は驚き、ほんのりと頬を染めた。
三ツ谷「な、なんだよ?」
「タカちゃんは丁度いい身長だね。」
三ツ谷「何の話?」
「撫でやすい身長の話。八戒はデカ過ぎて撫で辛い。」
Aの言葉に、三ツ谷は苦笑いをする。
三ツ谷「撫でる事はあっても撫でられる事ってねぇから、ちょっと新鮮だな。」
「そうなの?じゃあ私が撫でてあげるね。」
三ツ谷「…勘違いしちまうぞ?」
何が?と首を傾げるAに三ツ谷は微笑み、彼女の頭を撫で返す。
Aは少しばかり不服そうな面持ちで、三ツ谷を見つめた。
「私の方がお姉さんなの、忘れないでよね。」
三ツ谷「ハハ、悪ぃ悪ぃ。」
三ツ谷の手が離れると、Aは足元の買い物袋を持ち上げ、二人に別れを告げ自宅へと帰って行った。
_____
7月24日、8時。
Aは柴家のインターホンを鳴らし鍵を開けて入ると、リビングにバッグを置き、大寿の部屋へと向かった。
休日である今日は柚葉達もまだ寝ているらしく、家中静まり返っていた。
Aは大寿の部屋を控えめにノックすると、そっとドアを開ける。
ベッドでは、上半身裸の大寿がまだ眠っていた。
大寿の姿を確認すると、Aは一度ドアを閉め、声を出さぬよう静かに身悶えする。
Aは心を落ち着けると、呼吸を整え再びドアノブに手をかけた。
中を覗くと、ベッドで眠っていたはずの大寿の姿が見えず、Aは首を傾げる。
大寿「おい。」
ドアの死角になっている方から声が聞こえ、Aは頭を突っ込みそちらを覗く。
そこにはシャツのボタンを留める大寿が、眉をしかめながらこちらを見ていた。
874人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» コメントありがとうございます!もうすぐ完結なので、是非最後までよろしくお願いします🙏 (5月22日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - きゃー🥰大寿といよいよですね、ドキドキワクワク🤣 (5月22日 8時) (レス) @page50 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - あの場面!!だいじゅが倒された場面やぁ…タカチャンがやられる前に気絶させるのは見させたくなかったとはわかる。 (5月11日 9時) (レス) @page45 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(元シオン)(プロフ) - 教会からの物音って……まさか、タカチャン達が……これは夢主がハラハラしてしまう (2023年5月9日 17時) (レス) @page44 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 鈴桜(元シオン)さん» いつもコメントありがとうございます🤭教会の場面は、この作品を書き始める時からイメージしてたので早く載せたいです! (2023年4月22日 10時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2022年5月7日 16時