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「やっぱり!なんだか雰囲気とか似てると思ってたんだ。」
日向「え、エマちゃんってマイキー君と兄妹だったの?」
日向も初耳だったらしく、驚いた様子でエマに目を向ける。
エマは佐野に似ていると言われて嬉しいのか、照れ臭そうに頬を掻いた。
エマ「マイキーと似てるってあんま言われないから、ちょっと新鮮。」
「そうかな?笑った顔とか似てると思うけど。」
そう?とエマは自身のバッグから手鏡を取り出し顔を映す。
口角を上げたり目を細めたりと、鏡に向かって色んな表情をするエマを、Aと日向は楽しそうに笑いながら見つめるのだった。
二人と別れ、Aは休憩しようと途中コンビニでアイスと飲み物を買い、公園へとやって来た。
木陰になっているベンチで座って食べようと向かうと、目当てとしていたベンチには青年が一人横になっていた。
それを目にしたAは、思わず小さく声を上げる。
普通ならなんてことない光景だが、横になっている彼は至る所に血が付着しており、腕を地面にダラリと垂らし目を瞑っていたのだ。
Aは急いで駆け寄り、彼の顔に手を当てた。
「大丈夫ですか?どうしよう、生きてる?心臓は……うん、動いてる…わっ!?」
彼の胸に耳を当て鼓動を確認していると、肩を掴まれ、驚いたAは後方に倒れ尻もちをついてしまった。
掴んだのは、横になっている彼だ。
男「アンタ誰?」
「よかった、意識はあるんですね?お兄さん、自分の名前言えます?」
男「は?」
「救急車呼びますか?どこか痛い所ありますか?」
彼は怪訝そうに眉をしかめると、上体を起こそうとする__が、Aに阻止された為再び頭をベンチに付ける事となった。
男「オイ、何すんだよ。」
「どこ打ってるかわからない時は、横になってた方がいいですよ。こんなに血が出て…」
男「あー平気平気、コレ返り血だし。」
「…え?」
彼は今度こそ起き上がると、Aを脚の間に挟むように座る。
血の付いた顔で彼に見下ろされ、Aは彼に触れていた手を下ろし力無く笑った。
「な、んだ…よかったぁ…」
男「…は?」
「怪我してるわけじゃなかったんですね。血だらけで横になってたから、心配しました。」
早とちりだと照れたように笑うAを、彼は拍子抜けといった表情で見つめ、次いで吹き出して笑った。
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時