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八月三日、夕方。

Aは武蔵神社の鳥居の前にいた。

装いは、深い青と白がグラデーションになっている浴衣に黒い下駄。


お待たせ、と友人が合流し、互いの浴衣を褒め合いながら人混みに紛れていく。


友人「とりあえずリンゴ飴と、たこ焼きと、焼きそばと…」

「そんなに食べれるの?」

友人「美味しいものは無限に入る気がする!」

「"気"だけでしょ。」


Aは可笑しそうに笑い、道行く人々に目を向けた。

皆楽しそうな表情を浮かべ、飾られた灯籠や屋台を眺めながら歩いている。


友人に腕を引かれ飴屋の列に並んでいると、トンと肩を叩かれAは振り返る。


「エマちゃん、日向ちゃん!」

日向「Aさん、こんばんは!」

エマ「Aちゃん浴衣超可愛い!ねぇ、一緒に写真撮ろう!」


エマは後ろにいる龍宮寺を振り返り、自分の携帯を渡す。

はしゃぐ二人に挾まれ、Aは少し照れ臭そうにカメラに目を向けた。


友人「ねぇA、このかわい子ちゃん達誰?」

「弟の彼女の日向ちゃんと、お友達のエマちゃん。」

友人「弟?」


友人は武道達を振り返ると、再びAに目を向ける。


友人「どっち?」

「小さい方。」

友人「似てないね。」

「よく言われる。」


姉弟なのに似ていないと言われ慣れているAは、特に気にする様子もなく笑って答える。

それから二、三言葉を交わすと、またねと言ってエマ達はその場を立ち去った。



飴を買い、たこ焼きを買い、Aと友人が欲していたものをある程度食した時、Aの手元に水滴が落ちる。

顔を上げると、先程まではなかった黒い雲が空を覆っていた。


「雨…」


Aの呟きを機としたかのように、落ちてくる水の量が一気に増えてきた。

Aは急いでバッグから折りたたみ傘を出し、友人に袋を片付けてもらう。

周囲も各々傘を出したり、木や屋根のある所へ移動するなどして雨を避け始めた。


友人「予報じゃ降るのは夜中だって言ってたのに。」

「念の為傘持ってきてよかった。」

友人「ありがと、A様様だわ。」

「ふふ、どういたしまして。」


周囲の様子からして、今回の花火は上がらないだろうと判断した二人は神社を後にする。

傘のない友人を駅まで送り届けると、Aは元来た道を戻り始めた。


神社を通り過ぎ暫く歩くと、前方から見知った人物が歩いて来るのが見え、Aは声を掛ける。


「あれ、修二君?」

半間「Aちゃんじゃん。何してんの?」

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 鬼滅の刃 , クロスオーバー   
作品ジャンル:アニメ
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子持ちししゃも(プロフ) - 藍璃さん» ありがとうございます!頑張って更新します! (4月25日 21時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
藍璃(プロフ) - 好きです!!!!更新待ってます!!!! (4月25日 18時) (レス) id: f0cad43b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 分かりました、更新はゆっくりでいいですよ (3月16日 8時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - ユノンさん» コメントありがとうございます。すみません、無惨様その他の過去の鬼達は出る予定がありません😭記憶の一部とかには出す予定ではありますが、夢主は半天狗と接触してないという設定で考えていたので、彼は出てきません😭ほんとすみません😭 (3月15日 22時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 子持ちししゃもさん» 半天狗の喜怒哀楽の鬼を出して欲しいです! (3月15日 15時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:子持ちししゃも | 作成日時:2023年10月19日 23時

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