番外編・最初で最後の�� ページ10
※38話・Aが夢で見た未来の話＿＿
とある日の夕刻。
Aがソファに座り本を読んでいると、部屋のインターホンが鳴った。
モニターを確認すると懐かしい顔がふたつ、液晶画面に並んでいた。
エントランスのオートロックはどうした、などと野暮な事は考えず、Aは玄関の扉を開ける。
「久しぶり、イヌ君、ココ君。」
乾「…あぁ。」
九井「よぉ。」
突然の来訪者は、古い友人である乾と九井だった。
数年振りに見た二人の顔立ちはグッと大人びていて、会わなくなってから随分と時が経ったのだなとAは思った。
九井「不用心だな、知り合いだからって。仮にも反社だぞ。」
「ふふ、上がって。コーヒーでいい？」
九井「いや、俺はいい。」
「心配しなくても、ヤカンは爆発しないよ。」
九井「おー、成長したな。でも今日はイヌピーから話あるだけだから。」
部屋の外で待ってる、と舌を出し、九井は扉を閉めた。
二人になると、Aはリビングへと乾を通す。
「座って待ってて。コーヒー淹れてくるね。」
乾「あ、いや…」
遠慮する乾の声を聞かず、Aはキッチンへと消えていった。
乾は仕方なくソファへ座ると、思案するように顎に手を添える。
数分後、コーヒーの芳しい香りと共に、Aがリビングへと戻って来た。
彼女は乾の前にカップを置くと、向かい側に静かに座る。
乾は礼を言うとカップに口をつけ、どう話を切り出そうか思考を巡らせた。
「ホント久しぶりだよね…何年振りかな？」
Aは自分のカップに手を添えながら、嬉しそうに尋ねる。
乾「さぁな。五年以上は経ってるんじゃないか？」
「うわぁ、時が経つのは早いなぁ…そういえば髪、切っちゃったんだね。」
乾「あぁ…長い方がよかったか？」
「ううん、サッパリしていいと思う。」
そこまで話すと、二人はカップに口を付け喉を潤す。
カップの中で揺らぐコーヒーを見つめ、乾は小さく息を吐いた。
乾「あのさA…」
「そうだ！お腹空いてない？ケーキ買ってあるんだけど食べる？」
乾「…いや、いい。それより」
「あ、甘いのよりしょっぱい方がよかった？確かお煎餅があったはず！持ってくるね！」
乾「A、」
「イヌ君は醤油味と塩味、どっち派？」
乾「A！」
キッチンへと向かおうとするAの手を、乾は掴み引き止めた。
彼女は振り返らずに、乾の言葉を待っている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
子持ちししゃも(プロフ) - ムーンさん» こちらこそありがとうございます🤗このクレープの話、公式ツイッターで先生が載せてた絵とリンクさせたつもりです🤭 (7月14日 22時) (
レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 番外編ありがとうございます🥰いつも更新楽しみにしてます。やっぱ、大寿くん最高😃⤴️⤴️ (7月14日 20時) (レス) @page9 id: 899026d120 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 澪さん» ありがとうございます！更新頑張ります🤭 (6月14日 15時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - もっとイチャイチャしてる所見たい！(,,>᎑<,,)♡続き楽しみにしてます(*´˘`*) (6月14日 1時) (レス) id: c661fd9295 (このIDを非表示/違反報告)
子持ちししゃも(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございます🙏 (5月27日 20時) (レス) id: 197a8307a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：子持ちししゃも | 作成日時：2023年5月25日 8時
