呪術師とヤンキー【東リべ】【呪術廻戦】

30 ページ31

佐野「何で来た？何で助けた？」

「離して頂けますか？佐野万次郎さん。」

佐野「答えろ七種A。」

武道「マイキー君！」

龍宮寺「やめろマイキー。」


Aは佐野に向き合うと、彼を真っ直ぐと見た。


「助けない方が良かったですか？」

佐野「違う。お前はこの前、詮索するなと言った。なのに何で俺らに関わるんだ？」

「そうですね…武道君に脅されたからですかね。」

武道「え！？俺！？ちがっ、脅してないよ！」

「冗談です。」

三ツ谷「A…あんまタケミっちの事からかうな…」


からかわれた事を知った武道は、ブツブツと呟きながらしゃがみ込んでしまった。


「佐野万次郎さん、大丈夫ですよ。私は味方になる事はあっても、貴方たちの敵になる事はありませんから。」


Aは佐野に掴まれていた手を外し、その手を両手で優しく包み込んだ。

佐野は握られた手がとても暖かく感じ、何故だか涙が出そうになった。


佐野「じゃあ…今度こそ俺の事マイキーって呼んでくれる？」

「それとこれとは別です。」


何で！と佐野は頬を膨らませた。


三ツ谷「今度こそ？」


三ツ谷が問うと、佐野は以前Aと二人でパンケーキを食べに行った時の話をした。


Aが佐野の事を毎回"総長さん"と呼ぶので佐野が理由を聞くと、名前を知らないからそう呼ぶしかないと言われた。

そこで佐野は名乗ってから"マイキー"と呼ぶように言うと、即答で断られたらしい。


龍宮寺「いいじゃねーか、俺なんか辮髪さんだぜ。」

佐野「ぷぷっ！かっこいーじゃん、辮髪さん。」

龍宮寺「あ゛？」


佐野が龍宮寺から逃げようとした時、場地が身じろぎをした。


松野「場地さん！」

佐野「えっ」

場地「…ん……あれ…俺、生きて…」


場地が身体を起こそうとすると、Aは瞬時にそれを止めた。


「まだ起き上がらない方がいいですよ。先程増血剤を飲ませたので、急に動くと吐きます。」


Aは場地の側に寄ると、「ちょっと失礼します」と場地の頬に手を当てた。


場地「お前さっきの…」

佐野「何で下瞼引っ張ってんの？」

「血の巡りを確認してます。…うん、大丈夫そうですね。ただ急な運動はまだしないで下さい。明日からは普通に過ごして構いません。」


Aが立ち上がると、三ツ谷が後ろから羽宮を連れてきた。

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す