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暫くゆっくり休めるかと思いきや、突然の来客に俺たちは飛び起きた。やって来たのはこの島の漁村係長だ。
『セブンティーンの皆さんは一週間生存しなければなりませんよね?なので漁村係長さんが明日から仕事をくれます』
「どんな仕事ですか?」
PDにジョンハンが聞く。
「ウスメバル釣り、それからフジツボとカメノテ採りだよ」
漁村係長が答えると、ジョンハンは俺をちらりと見てから、「揺れない船は、…ありません、か?」と探り探り訊ねた。船酔いする俺に気を使ってくれたんだろうか。なんだか申し訳なくなる。
「揺れない船はないはずだよ」
「はは、そうですよね……」
あっさりと返されて苦笑いを浮かべるジョンハンになんだか居た堪れなくて、俺は自然と視線を俯かせてしまった。
漁に行くメンバーは明日の朝決めることになり会議は終了した。新たな展開に戸惑いを見せるメンバーもいれば食料が確実に手に入ると前向きなメンバーも。皆気持ちはそれぞれだ。
「ジョンハナ」
部屋に戻ろうとするジョンハンを呼び止めると、何故か大袈裟に肩を竦めて立ち止まり、ムスッとした顔で振り返った。
「さっき、気使ってくれた?」
「……なにが?」
「いや、違うなら、いいんだけど。俺が船酔いするから聞いてくれたのかと思って」
ジョンハンが居心地悪そうに目を逸らす。
「…さあ、なんのこと」
ああ、こいつ。誤魔化し方が下手くそ過ぎてなんだかいじらしい。素直に認めないところがユンジョンハンらしいけど。
「……ん、そっか。でもありがと。俺は助かった、勝手に」
キャップの上から頭をポンポンするとジョンハンはますます体を硬くしてしまった。やっぱり慣れないことはするもんじゃないな。
「明日早いみたいだし、さっさとシャワー浴びて寝な?」
おやすみと言って立ち去ろうとすると、逆さに被っていたキャップのツバを勢いよく掴まれて体が仰け反った。
「うおっ?!」
「ヒョンはどうせ役に立たないんだからおとなしく留守番!わかった!?」
驚いて振り返るとジョンハンの顔は真っ赤だった。
「いってぇ、バカか頭取れるわっ」
「返事!」
「…はーい」
生返事をするとあっさり手が離れる。
「俺のためとかバカじゃない?自意識過剰かよ」
いつもの調子が戻ったらしいジョンハンがおかしくてついニヤケてしまう。
「悪かったな。あ、もしかして俺と一緒に料理とかしたかった?ハニA愛の共同作業する?」
「はぁあ?!」
少しふざけただけなのに、鬼の形相でぶっ叩かれた。

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作者名:岡田 | 作成日時:2017年4月15日 9時

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