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それは、悪魔が忍び寄る足音だった。

「Aヤ、お腹空いてないか?」
「へ?!」
外で洗い物をしていると、カメラ監督から声を掛けられた。なんだろう?と振り返ると、彼の手にはチョコバーが握られていた。
「お前にあげるから食べな」
「い、いや…でも……」
「誰もいないところで食べるんだぞ?」
彼はそう言って優しく微笑みかけた。
その笑みに導かれるように、俺は彼の差し出すチョコバーへと手を伸ばした。


「Aヒョーン、タワシひとつ貸し……、ヒョン?」
誰かが肩を叩く。ぎこちなく振り返るとチャンがバケモノでも見たような顔をして悲鳴を上げた。
「ヒョン!顔がヒドイ!!」
「……ンチョ、…」
「え、え?」
「……スンチョリは、どこ」
「ギャーー!!ホシヒョンどうしようAヒョンが初めて感情を知ったロボットみたいになってる!」
「なんだよそれ〜。ヒョンがそんなわけ、ヒャアッ!!?」
スニョンの悲鳴を聞いてわらわらと弟達が集まってくる。けど俺がガタガタと震えているもんだから皆怖がって一定の距離を置いて近づこうとしない。
「スンチョラ、…スンチョラ、スンチョラ、」
「おいロボットがエラー起こしてるぞ」
「そんなこと言えるのウジヒョンだけだよ」
「うえぇ、ヒョンの名前がゲシュタルト崩壊してく」
「早く誰か教えてあげなよ〜」
「いやー珍しい現象だからつい見入っちゃったよね」
ジフン、ソクミン、スングァン、ミョンホ、ジュンが俺を囲んでニヤニヤと笑っている。
「クプスヒョンなら部屋でヒョン達と寝てるよ?」
「……つれてって」
手を差し出すとミンギュが手を繋いで家の中まで連れて行ってくれた。
「クプスヒョーン、Aヒョンが壊れたー」
「はぁ?」
部屋のドアを勢いよく開けてスンチョルが出てくる。その後ろからジョンハンとジスが何事かと顔を覗かせた。
「スンチョラ、これ…」
俺は震えながらチョコバーをスンチョルの手に無理やり握らせた。
「今の俺にそれはダメだ。危うく理性を失いかけた…」
「ヒョンも貰ったの?俺たちもっ…、」
緊張が解けて力が抜けた。スンチョルに寄りかかって肩に顔を埋める。
「あら〜Aヒョン何甘えてんの〜?」
ジョンハンが髪を掻き上げて顔を覗き込んでくる。
「それお前達でなんとかして」
「甘いもの狂いには刺激が強かったんだね」
「Aヒョン可愛い。赤ちゃんみたい」
「…うるさい」
ジスとミンギュに笑われて今更顔から火が出るほど恥ずかしくなった。

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作者名:岡田 | 作成日時:2017年4月15日 9時

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