We'll be alright!! (ページ22)

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You ページ22

「今日の夕飯まで貰ってきた～！」
宿舎の庭に高らかに響いた声。嫌な予感がした。嬉しさを隠せずに満開の笑顔で帰ってきたメンバーの手には、宿舎にはもうない米やキムチが……。
「ホシヤ、それは？」
「Aヒョン！俺たちセブチダンスで貰ってきたんだよ～！」
活き活きとマンセを踊るパフォーマンスリーダー。やっぱり、思った通りだ。
「オーマイガ……」
「OMG？」
『皆さん、ちょっと待ってください』
俺がハイスペック裏起毛ゴム手袋をはめた手で顔を覆ったのとPDの声が掛かったのはほぼ同時だった。
PD曰く釣ってきた魚はいいがタダで貰ってきた米やキムチは許可できないそうだ。メンバーは絶望したように項垂れてしまった。
大方予想していた通りになり俺は苦笑いを浮かべた。そんな中ウォヌと目が合う。どうして？と言いたげな目に首を振って見せた。
俺がウォヌの食料を手に入れることができたのはきちんと労働したからだ。島で養鶏場を営んでいるお家に行って手伝いをする代わりに少しだけ食料を分けて欲しいとお願いをした。今朝鶏達が産んだ卵を集めて、小屋を掃除して、お家で飼ってるワンコのシャンプーもした。俺も飼ってたから久しぶりに遊べて楽しかった。これは労働とは言えないかな？
それでもそれなりに働いて、おじさん達にも褒めてもらい、少しだけど食料を貰うことができた。もちろん全部カメラにおさめられている。
「俺の米ぇ…」
泣き出しそうなスニョンの肩を抱き寄せて慰める。スンチョル達が釣ってきた魚があるんだからまだマシだ。
モクモクと煙を上げて焼きあがったサバを皆で分けて食べた。ウォヌはその横でカルメ焼きを作っている。
「もし僕達が昨日の晩釣りに行くって決めなかったらどうするつもりだったんですか？」
スングァンがスタッフに向かって聞く。確かに、何か救済措置があったのかは気になるところだ。
『見守ってました』
「呆れた…」
PDの返事につい心の声が漏れて隣にいたジスが苦笑いを浮かべた。製作陣はとことんやるつもりらしい。それなら受けてたってやる。
「このまま大人しくなんてしてないからな。俺がソウルに帰ったらマジで…」
「どうするつもりですか？」
ソクミンに聞かれてすっかり手懐けた斧を振り上げるスンチョル。顔は笑っているが弟想いのあいつのことだ、あながち冗談でもないだろう。
「やる時は一緒だ、リーダー」
「そこ2人が言うと冗談に聞こえないからやめて」
ミンギュの言葉に俺とスンチョルは悪い笑みを浮かべた。