You ページ16
「ほらさっさとシャワー浴びろよー」
「ヒョンはー？」
「俺後でいー。ディノ俺の荷物からパンツ持っていきなー」
「ありがとうございますAヒョンー！」
ミョンホと布団を敷きながらダラダラするメンバーを急かす。スンチョルは余程疲れたのか、ミンギュと並んで居眠りを始めてしまったから俺が皆の尻を叩くしかない。
「ジョンハナ、お前時間かかるんだから早く髪乾かしちゃえよ？」
「うん〜」
「ジョシュア、シャワー空いたぞ。……ちょっと、生きてます？」
「生きてますよ。ボーッとしてただけ…」
ジスがフラフラとシャワー室に向かうのを見届けて、その隣で寝ていたジュンを起こして一緒に浴びてもらう。こちらも大分フラフラだ。
「腹減った…」
「ボノニさっきお腹いっぱいって言ってなかった？」
「気のせいだった」
「んー、僕もお腹すいた〜」
「歯磨いてスッキリしな。気が紛れるよ」
へばってるスングァンとハンソルの肩を叩いて立たせる。可哀想だけどあげられるものもないから、なんとかしのいでもらうしかない。
「ヒョン終わった〜」
「おー、ありがとディエイ。皆ー、布団の準備できたぞー」
声をかけるとわーい！と子供のように手を上げてスニョンが寄ってきた。
「ディエイ、俺ちょっと外見てくるからジョシュア達が出たらクプスとミンギュ起こして先にシャワー浴びといて」
「外？何か忘れたの〜？」
「火がちゃんと消えてるか見てくる」
「火なら水かけてきたけど？」
話を聞いていたハンソルが歯磨きをしながら怪訝そうな顔で見てくる。
「念には念をだよ。ボノニは薬塗るの忘れるな？」
「…………」
不満げなハンソルの視線から逃げるように横を通り過ぎた。
一緒に泊まるスタッフに声をかけて、庭に出て火鉢を覗く。ハンソルの言った通り中は濡れていて火はちゃんと消えていた。
俺はそれを確認すると一度振り返って家の方の様子を伺った。どうやら誰もこちらを気にしている気配はない。
そのまま庭を突っ切り、坂を下って路地に出る。肌を刺すような夜風に身震いしてジャージのポケットに手を入れて首をすくめると、目的地に向かって歩を速めた。
辿り着いた家のドアをノックする。鍵が開き、中から顔を出したスタッフは俺を見て目を見開いた。
「緊急事態です。少しいいですか？」
彼女がすぐにPDを呼ぶと、何事かと2、3人のスタッフが玄関へと出てくる。
「お疲れのところすみません。PDニム、無理を承知でお願いです」
「僕と取引してくれませんか？」
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作者名：岡田 | 作成日時：2017年4月15日 9時
