終話 ページ29
『…ふふ、また、嫉妬してる。』
「…これくらい、普通と思うけど。」
『そうかな？』
「Aは、嫉妬しない…それが凄く、嫌…じゃないな…んー不安？だった」
『私も嫉妬してたよ、普通に』
言わなかっただけだよ、告げれば彼は酷く驚いた顔をした。『なぁに、その顔』と笑いかけると、彼は私の肩を勢いよく掴む。
「A、jealousy…してたか…！？」
いつ？どこで？だれに？
彼からの矢継ぎ早な質問は止まらない。
『…え〜言うの恥ずかいよ〜』
「……お願い、A。俺の聞くしたいよ。」
彼が甘えたように私の肩口に頭を預けてきた。心地よい重みに、自然と目を瞑り、2年前の記憶を手繰り寄せる。
『Sellyが…ほら、女の人と…コラボ？してる時…とか……大会出てアテンドの人と…仲良く話してる…時とか…』
特に私の分からない韓国語だと…尚更嫉妬する…、と素直に伝えてみた。
2人の間に暫く沈黙が続く。
『…ねぇ、言わせといて無言は恥ずかしいんだけど』
彼の顔を確認しようと身じろぎをすると、逃さないと言わんばかりに強く抱きしめられてしまった。
『…Selly…？』
不安になって名前を呼ぶが、Sellyは無言のままだ。
静かな世界で、2人の鼓動だけが混ざり合う。
「……うれ、しい…」
『…そっか』
私の肩に寄りかかったままの彼の頭を撫でてみれば、彼は私の手を取った。
そのまま、まっすぐコチラを見てくる。
「A、俺…まだAと居るしたいけど？」
あの日と同じセリフ。
たった数日前は、辛くて悲しいだけだったのに。
『…ふふ、よろこんで』
今日はこんなに嬉しく感じれる。
どちらともなく、吸い寄せられるように。
2年ぶりのキスをした。
----------------------
『Selly、私の気持ち分かったなら嫉妬しなくなる？』
「なんで、嫉妬する、普通だけど。」
『なんか愛情を疑われてる気がするんだよなぁ』
「好きだから、愛してるから嫉妬する、だよ。だめか？」
『…んー、ちょっと嬉しいかも』
「ちょっとか」
『…すっごく？』
「＜はぁ、くそ……かわいい…もう絶対離さない…＞」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ならか(プロフ) - にやけ止まらんくて焦る (2月14日 18時) (
レス) @page30 id: 72407f8835 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - Arce_さん» ありがとうございます！彼らのafter storyは少し書けたらとは思ってます！お褒め頂いてありがとうございます！ (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 青い目の宝石さんさん» ありがとうございます！褒めて頂いて本当に嬉しいです〜！！！ (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
Arce_(プロフ) - 読んでて楽しかったです！完結寂しいですが、おめでとうございますTT♡ (10月1日 4時) (レス) @page30 id: c41d959350 (このIDを非表示/違反報告)
青い目の宝石さん(プロフ) - 完結おめでとうございます！！めちゃめちゃ面白くて見やすかったです！！(о´∀`о) (10月1日 0時) (レス) @page30 id: c88fb3b6cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おこめ | 作成日時：2023年9月18日 13時
