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そのままズルズルと廊下を歩かされ、Sellyの部屋に引き摺り込まれる。
ボスン、と放り投げられた先はベッドで。
反射的に吸い込んだ空気はSellyの匂いで充満していて、ゾワリと肌が泡だった。
「…った、Selly…!待って、話を、」
『もう、待つしない』
放り投げた私に覆い被さるようにして馬乗りになるSelly。俯いてしまっていて、Sellyの表情は見えないし、大きな手で私の両手を纏めてしまい、ろくな抵抗させてくれない。
『ね、ねぇ、Selly?ま…ひゃッ、…ねぇ!』
ぬるり、とSellyの舌が私の首筋を舐めた。
身体は素直なもので、Sellyに与えられるもの全てにビクビクと反応してしまう。
嫌だ嫌だ嫌だ。
このまま、何も聞いて貰えないまま、人形のように抱かれるのは嫌だ。
足をバタバタと動かして精一杯抵抗した。
『やだ、やだって、Selly…!…やだよぉ…グズ』
全く聞き入れて貰えない、この状況が情けなくて。
ついには涙腺が崩壊した。
ピタリとSellyの動きが止まる。
伏せられた顔は相変わらず見えなかった。
「そ…な……か」
『…な、に…?』
「…そんなに、Mondoが好きか…」
『………へ?』
やっと、こちらを見たSellyは今にも泣き出しそうな、そんな顔をしていた。
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ならか(プロフ) - にやけ止まらんくて焦る (2月14日 18時) (レス) @page30 id: 72407f8835 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - Arce_さん» ありがとうございます!彼らのafter storyは少し書けたらとは思ってます!お褒め頂いてありがとうございます! (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 青い目の宝石さんさん» ありがとうございます!褒めて頂いて本当に嬉しいです〜!!! (10月1日 17時) (レス) id: 59d1a36373 (このIDを非表示/違反報告)
Arce_(プロフ) - 読んでて楽しかったです!完結寂しいですが、おめでとうございますTT♡ (10月1日 4時) (レス) @page30 id: c41d959350 (このIDを非表示/違反報告)
青い目の宝石さん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!めちゃめちゃ面白くて見やすかったです!!(о´∀`о) (10月1日 0時) (レス) @page30 id: c88fb3b6cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おこめ | 作成日時:2023年9月18日 13時