6 ページ7
(sideドストエフスキー)
・
なにかをぼんやりと考え込む彼女を見つめる。
初めて会った日、突然に声を掛けてきた彼女。
振り返ると、あどけなさの残る童顔の、肌つやがまるで少女のような綺麗な顔立ちに驚かされた。
その時同じく彼女も驚いた顔をしていたが。
疲労を隠そうともせず、寝不足なのかうっすらとクマが見えたその子の顔色は、ここ最近随分良くなったと思う。
薄化粧の映えるその綺麗な女を、ぼくのものにしたかった。
名前など言わず無視して帰ればいいものを、反応してしまったのだから、もうその時から手遅れだ。俗に言う一目惚れとはこういうものなのだろうか。
回らない呂律でぼくの名前を呼ぼうとする所、本当に可愛らしい。
彼女をぼくのもとに引き留めておくためにはどうすればいいか、狡猾なことを考えるのが得意なその頭を役立てる。
「あ、そろそろ帰らないと。」
不意にその子が立ち上がるので、僕もつられて立つ。
玄関先まで送り届けて、
「では、お気をつけて。」
「ありがとうございます!また明日、お願いしますね!」
手を振りながらにっこり笑った彼女は、ぼくの気持ちを知っているだろうか。
285人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こめこ(プロフ) - 疾風さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です、これからもよろしくして頂けると幸いです! (2019年7月1日 4時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
疾風(プロフ) - 少し遅くなってしまいましたが、完結おめでとうございます!こめこさんの書く作品どれも大好きなので、こめこさんを知れて良かったです!これからも頑張ってください! (2019年7月1日 2時) (レス) id: d43b897b4c (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - かなでさん» ほかの作品も読んで頂けているんですね、嬉しいです!ありがとうございます、拙い文章ですがこれからもよろしくして頂けるとありがたいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - あさぎさん» 3期でドスくんに落ちた人は多いだろうなって見込み、、うふふ。コメントありがとう!あさぎちゃんも早く新作書いてね( (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ねこ娘さん» ありがとうございます!違和感なく、というのは本当に嬉しいです!読んでいる途中でアレ?ってなると気持ちも冷めてしまいますから気をつけているつもりでした。次作も頑張ります、よろしくお願い致します! (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こめこ | 作成日時:2018年12月22日 19時