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驚かれるか、返答に困るか、どちらだろうと思ったが違った。知っていた、ようやく言ったか、と言ったような余裕の笑みを浮かべる彼に羞恥心が沸き上がる。
いまのは、いわされた。そう仕向けられた。
こんな風に物凄く心理操作に秀でた彼が好きで好きでたまらないのだ。
「ふふ、好きですか?ぼくのこと」
「え、ぁ、は…はい」
声が小さくなってしまうのは仕方ないだろう。恥ずかしい自爆をしてしまったし、なによりこの距離。顔のすぐ横に彼の腕があって、互いの服の裾が擦れるほど近い
彼が息を吸った。そして、
「ぼくもAさんのこと、すきですよ」
こう言った。更にあなたのいう好きと同じ意味です と、付け足した。
彼が慕ってくれることが嬉しい、よりも先に、彼が初めて私の名前を呼んでくれたことが嬉しかった。
その声は案外頭に残り、熱がのぼる、手が疼く。鎖骨のあたりがぴりぴり、痺れてきたところで、ドストさんは畳み掛けるように更に距離を詰めてきた。
そのまま、3センチ、2センチ、1、_
顎を優しく掴まれて、下がり気味だった私の顔が上を向いた瞬間、自分の唇が彼のそれに触れた。
私より少しだけ低めの体温に、不思議にも熱くさせられる。
胸が苦しくなった。
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こめこ(プロフ) - 疾風さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けて光栄です、これからもよろしくして頂けると幸いです! (2019年7月1日 4時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
疾風(プロフ) - 少し遅くなってしまいましたが、完結おめでとうございます!こめこさんの書く作品どれも大好きなので、こめこさんを知れて良かったです!これからも頑張ってください! (2019年7月1日 2時) (レス) id: d43b897b4c (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - かなでさん» ほかの作品も読んで頂けているんですね、嬉しいです!ありがとうございます、拙い文章ですがこれからもよろしくして頂けるとありがたいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - あさぎさん» 3期でドスくんに落ちた人は多いだろうなって見込み、、うふふ。コメントありがとう!あさぎちゃんも早く新作書いてね( (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - ねこ娘さん» ありがとうございます!違和感なく、というのは本当に嬉しいです!読んでいる途中でアレ?ってなると気持ちも冷めてしまいますから気をつけているつもりでした。次作も頑張ります、よろしくお願い致します! (2019年6月29日 20時) (レス) id: a5ceb500b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こめこ | 作成日時:2018年12月22日 19時