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「お茶ですか?緑茶なら欲しいです。」


「うん、緑茶。というか生茶だけど。」


すっ、と彼が差し出してきたそれは、まだ開封されていないペットボトルのお茶だった。


「あ、それ好きです!」




「そう?よかった、はい。」


太宰さんは丁寧にキャップを開けてくれた。
私はそれを受け取って口にする。

って、駄目じゃないか、これじゃあ、この後太宰さんだって飲むかもしれないのに。

私が飲んだら駄目だったやつだ。


口にしてから後悔しても遅いけれど、やはり申し訳なかった。


「あの、ごめんなさい、口付けちゃって、新しいの買ってくるので、!」


「ああ、気にしないで。それより、蓋閉めるからペットボトルをこっちにくれるかい?」


ぺこりと頭を下げて謝ったあと、彼の言葉通りペットボトルを渡す。


そうしてそれにはキャップが被せられる、はずなのだけど。


蓋を閉めるから、と。確かに彼はそう言ったのに。聞き間違いでもなんでもなく、確かにそう言ったのに。


何故かそのペットボトルのお茶を私の目の前で飲んでいる彼が、こちらをチラリと見遣ってにっこりと笑う。


「これ、美味しいよね。」


「は、い、」



「ふふ、間接キスになっちゃった。意識したかい?」


そう彼が問い掛けてくる頃には、既に私の顔は真っ赤になっていた。


「…ぅ、」



__そんなに赤くなっちゃって。今日は私の勝ちだね。



その言葉がやけに耳に残る。今日は私の負けだ。

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つじ(プロフ) - 黒糖。さん» お返事遅れました。過去の作品ですが、読んでいただけて本当に嬉しく思います!コメントありがとうございます。 (2021年7月31日 14時) (レス) id: 87b029d90b (このIDを非表示/違反報告)
黒糖。 - これまで見てきた太宰さんの小説上位に食い込みました....!!いつも余裕そうな人が見せる照れ顔って最高に刺さりますよね....←応援してます! (2021年7月26日 17時) (レス) id: e962db8aef (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - カコさん» わわわ、ありがとうございます!嬉しいです!最後まで読んでいただき、感謝です! (2018年7月28日 23時) (レス) id: 349231008c (このIDを非表示/違反報告)
カコ - かわいかったあああ!!もう、やっとくっついたかって感じだった!素敵なお話ありがとうございました! (2018年7月28日 23時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 長月冬麻さん» わー!ありがとうございます、明日の朝と言っていたのですが、明日の夜になりそうです…頑張ります、ありがとうございます!最後の一言は殺し文句ですよ、無事禿げました、ありがとうございます!、 (2018年7月27日 23時) (レス) id: 0632503f0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こめこ | 作成日時:2018年7月15日 20時

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