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「本当に、なんてことするんですか!」

「いやぁ、間違えてしまったよ」

「さっきわざとって言ったくせに!」

「ふふ、そうだったかな?」


エンドロールが終わり、明るくなった劇場内で言い合う。

この人は本当に、もう、なんて人なの。きっとあの後、私がそれを飲む時にしぬほど意識してしまう事をわかってる。

恥ずかしかったんですよ、とまだ赤みの残る顔を背けてその場所から立ち上がった。つられるように立つ彼と歩いて、ポップコーンの香りが残る館内を歩く。

結局飲みきってしまったそのジュースのゴミを捨てる時、少し躊躇ったこと、この人に気が付かれてないといいな。


「このあと、どうします?」

「そうだねぇ、食事でもどうだい?」

「いいですね、少しお腹が空いてきましたし!」

「そう言えば、この近くに美味しい店があると以前聞いたんだ。そこに行こうか。」

「わー、楽しみです!ちなみに何系ですか?」

「確かイタリアン、と言っていたかな。」

ピザ食べたいです、とメニューについて会話しながら彼に任せて歩く。丁度二つ目の角で彼は話題を切り替えた。

「それからね、君、その敬語やめようか。」

「…っえ?、敬語ですか、?」

「そうとも、」

「でも、太宰さんの方が二つ年上だし、それに敬語使い慣れちゃってて」

いきなりタメ口で話すのは難しいなぁ、と心の中でだけ言う。

「無理にとは言わないけれど、慣れたら、ね?」


やはり、微笑んだその姿は格好いい。

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設定タグ:文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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こめこ(プロフ) - どんぐりさん» お読み頂けて嬉しいです、コメントありがとうございます!どんぐりさんの作品大好きなので、5割増くらいで嬉しいです (2019年3月17日 8時) (レス) id: 0632503f0e (このIDを非表示/違反報告)
どんぐり(プロフ) - コメント失礼します。二人の駆け引きと遠回りな恋模様が見ていて面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。 (2019年3月17日 2時) (レス) id: af82a43e6e (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - カコさん» カコさん、いつもありがとうございます!!そう言っていただけて嬉しいです、素直じゃない感じをコンセプトにしていたので!フロチャも楽しんで頂ければな、と思います! (2018年7月10日 21時) (レス) id: 349231008c (このIDを非表示/違反報告)
カコ - めっちゃ良かった・・・どストレートじゃない、回りくどい感じが凄く好きです。骸砦の方も近いうちに読ませていただくつもりです。 (2018年7月10日 20時) (レス) id: 87181eb08c (このIDを非表示/違反報告)
こめこ(プロフ) - 雪兎さん» ありがとうございます!おまけ、できるだけ早く書きますね。次はもっと面白いものが書けるよう頑張ります! (2018年6月10日 11時) (レス) id: 349231008c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こめこ | 作成日時:2018年5月4日 21時

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