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「そうだね、ふふ、両想いだ。君の気持ちが知れて嬉しいよ。」


私が彼女を想うのと同じように、彼女も私のことを想ってくれていたことがとても嬉しかった。

その歓喜に乗せて、一番の願い事をしてみる。


「もう、他の男と寝るのはやめてくれないかい?」


「…は、い。でも、そうしたら私、生活費、」


「…確か、君は催淫の異能力者なのだよね?」


こくり、と首肯する彼女に話を持ちかける。


「私、実はね、ポートマフィアと呼ばれる組織に所属しているんだ。」


滅多な事では話さない自分のこと、相手が想い人であるだけにやけに緊張した。


「首領に話して、君も組織に所属するといい。私が話をつけてあげるよ、給金だってちゃんと出るし、悪い話ではないと思うのだよ。」


「でも、私なんかが、…足を引っ張ってしまいそうです…」


「適職はゆっくり探せばいいし、どうしても肌に合わないのなら私が養ってあげるよ。」


少し俯き気味だった彼女の顔がぱっ、と上がった。不安に揺れるその瞳を見つめ、彼女の言葉を待った。


「…、なんで、そこまで」


「さっきも言っただろう?好きだからだよ」


そう微笑んで、ふわりと彼女を抱きしめた。

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作者名:こめこ | 作成日時:2018年4月28日 22時

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