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探偵社に着くと、みんなが待っていた。
社長が前に進み出て、皆の方を向いた。
「仲間が窮地に陥っている。此れは救わなければならない。現在業務の凍結を命じる。鏡花の居場所は大体判っているようだ。しかも、ポートマフィアのボスの名前までわかったようだ。此れは良いことだ。敦、芥川、良く頑張ったな」と、云い、二人の頭を撫でた。少し嬉しい。
「…では、乱歩、鏡花の居場所が判るか」
乱歩さんが目を開ける。「…ん〜」と、云いながら、鷹揚に頷く。懐から眼鏡を取り出した。
「異能力、超推理!」
乱歩さんの異能は超推理。乱歩さんに会った人は皆口を揃えて、「乱歩さんの異能力は世界一です。素晴らしい異能。宇宙一です」と、(乱歩さんに言わされて)云うが、乱歩さんのそれは異能ではない。ただ、頭が良いだけだ。なぜ乱歩さんがそんな勘違いをしているのかは、十年前の出会いに有る様だが、誰も知らない。
「……判った」乱歩さんが呟いた。「……鏡花ちゃんの居場所は……ポートマフィア本部の入り口、しかも外だ」
織田が言った。
「今から俺が言ってこようか?それとも、二人で行くか?」
どうしよう。
芥川の顔はいたって通常運転だ。行くと言えば多分行く。
敦はキッパリといった。
「では、行かせてもらいます」
織田が頷いた。
ドアから出て行く時、乱歩さんが顔を上げた。
「敦君、芥川君、気をつけてね!」
乱歩はそこで言葉を切り、真剣な顔をした。そして預言者のような声で言った。
「写真を撮ってほしいと云う人に、敦君は気をつけなければならない……」
はあい、と、生返事をして敦達は探偵社からポートマフィア本部ビルへ向かった。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時