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「いやあ、エレベーターホールで待っていて正解だったよ。お疲れさん。事件は解決したぞ。芥川」
……え?今そこ?と云うような話題を呆けた顔で、言った途端、国木田の怒号が鳴り響いた。
`д´ノォィマテヤゴルゥァァァ!!!
おおよそ人間のものでは無さそうな怒号が鳴り響く。耳を塞いで正解だ。普通の女子なら失神レベルだ。だが、慣れている事務員たちはさして驚かない。今日も苦笑いのまま見ている。
その時、敦はとっても重大なことを思い出した。
「鏡花ちゃんを早く扶けなきゃ! 芥川! 一緒に行こう!」
「うむ」
芥川も頷いた。まあ、芥川の場合は強くなりたいだけだろうけど……
誰も救わぬ者に生きる価値などない
敦は不意に、孤児院の院長先生に言われ続けてきた呪縛のように今も耳にこびりついている言葉が思い出された。
(そうならば、僕は鏡花ちゃんを救ったら生きていいことになるんじゃないのか?)
自分を求める人がいるならば、その人の為にはその人の前だけでも強くなりたい…敦はその想いから自らを鼓舞し、自分が少しでも強くなれる方を選ぶ。そして、叫んだ。イメージしたのはどんな物でも引きちぎる強靭な顎、肉食獣特有の強く、しなやかな脚のバネ。
「異能力___月下獣!」
敦のイメージ通りに体が変化してゆく。そして、探偵社の床を勢いよく蹴り、二、三回で鏡花のいる楼閣に到達した。
それを見た芥川も負けてはいられないと言った様子で街のあちこちにある電柱に黒布を爆発的に伸ばし、ひっかけ、鏡花のいる楼閣に到達した。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時