プロローグ ページ1
1、
六年前の少年は夢を見ていた。
その夢はとても不思議で、ただ一面砂色とも灰色ともとれる風景が続いているだけだった。
少年は夢の中で睡魔に襲われた。
夢のなかで眠くなるなんて…と思うが、少年は眠たくなったのだ。
少年は夢の中で寝てしまった時、何か別れてはいけないものと別れてしまったように思えた。
そこで夢は終わった。
この夢を同日同刻に見ていた少年がいたのは奇跡か、はたまた…
2、
ヨコハマの夜の主、ポートマフィア本部の楼閣の一角で男、川端康成は慌てていた。銀、黒、白の入り混じった髪を振り乱し、慌てていた。
「嗚呼、異能力が勝手に…しかも誰だこりゃ…ん…白いのは孤児院の虎少年か…黒いの人相りいなア…貧民街の黒犬か…全く、どうしようかコレ…」
川端は異能力者だが何を思わずして少年達を呼び寄せてしまったのだ。
元来、川端の異能は対象者に夢を見せ、任意の場所動させる。
但し、強く念じないと発動されないのが難点であり長所である。だが何がどうなったのか少年がいるのだ。
だが、この2人は強力な異能力者だと聞いている。
川端は気を取り直してまず少年たちを首領のいる執務室に運ぶように給仕がわりの構成員に伝えた。川端は首領を守る近衛隊の隊長だ。じきに構成員が来るだろう。
まずは構成員の来る前に首領への言い訳を考えることにした。
「はあ…」川端は今日何回したかも判らないため息をついた。ヨコハマの漆黒の世は更けてゆく…
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空白時 | 作成日時:2021年7月9日 13時