君を、喰べたい【及川徹】

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そのうち・・・？
いや、深い意味は無いだろう







「…徹…、お水貰ってもいいかな？」






彼とこうして朝を迎える事に喜びを感じてはいるが、今は二日酔いの症状の辛さが上回っている


体がアルコールの分解を望んでいるようで、私は堪らず彼に水を頼んだ








「…ほーい。水飲んだらまた抱き締めさせてね？？」






付き合いたての時のような甘い会話に、思わず顔がニヤけてしまいそうになる







部屋を出た彼を待つ間
私はふと、岩ちゃんの事を思い出した




岩ちゃんに掛けたはずの電話が、何故か及川さんにかかっていたと言うことは、岩ちゃんにはなんの連絡もしてないと言うこと



少し疑問に感じた私は、床に脱ぎ捨てられたスカートのポケットから携帯電話を取り出し
特に何を考えることも無く通話履歴のボタンをタップした







「…え……どう言うこと…？」









昨夜の通話履歴には、21:40分に掛けた岩ちゃんへの履歴しか残っていない




そんなはずは無いと思い
着信履歴、発信履歴の両方を確認するも
やはり昨夜は岩ちゃんへ掛けた1件の履歴しか残されていなかった








これが、どう言うことなのか
私には想像も付かない






何故、岩ちゃんに掛けたはずなのに
及川さんが電話に出たのだろう









鳥肌が身体中に立ったのを感じ、堪らず岩ちゃんへと電話を掛けた




まだ大学の授業は始まっていない時間だし
岩ちゃんに聞けば、理由がわかるはず





携帯電話を耳元で握りしめ、呼び出し音が1コール鳴るごとにドキドキと心臓が煩く鼓動を早めていく





だが、岩ちゃんは電話に出なかった







いつもなら、すぐ出てくれるのに・・









「…A…？何してるの？」









突然背後から聞こえた及川さんの声に、全身の毛が逆立つ程に驚いた









＊


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