60日目 ページ30
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60日目
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それから
3ヶ月程の日が経ち、春の高校バレー宮城代表決定戦で青城は惜しくも烏野に敗れ
彼は部活を引退した
負けたその日は、さすがに声を掛けれず
ただひたすらその広い背中を静かに支えることしか出来なくて、自分の無力さを痛感した
部活を引退した後の彼と言えば、それは以前とは比べものにならないくらいに不安定で、繊細で・・
私なんかの手に負えるものではなかった・・
「…及川さん…。寒くない？」
すっかり冬の色を纏った地元の山々は、新しい芽を生やす為の冬眠準備を始めている
初めてを奪われてから、3ヶ月が経ち
あれから彼は数え切れぬ程私の身体を抱き、その度に私は彼が怖くなった
愛おしいと言って私を掻き抱いたと思えば、憎いと罵倒しながら酷くされたこともある
こんな関係に、名前があるのだろうか・・？
恋人とは、また少し違う
病的な依存のような何かを感じていた
「…うん。寒くないよ。
Aは？？俺なんかよりずっと薄着だよね？」
私を心配するように付けていた無地のマフラーを私の首へと掛ける彼の表情は、とても穏やかなものだった
「…ありがとう。」
「彼氏なんだから当たり前だよ。」
彼が、どんな事で思い悩み
どんな事で苦しんでいたかなんて私にはわからない
ただでさえ、人気者の彼と近付けたのは高校に上がってからだし
岩ちゃんの存在がなければ、私は彼と付き合う事さえ叶わなかっただろう
だけど・・
彼の心の中に巣食う闇は、私が理解できる程単純な物ではないようで
どれだけ彼を理解しようと努力しても、葛藤にもがく彼を見てしまうと辛くなる一方だった
「…ねぇ。及川さん…？」
「…ん？なぁに？」
「…及川さんは、なんで私なんかを好きになってくれたの？」
私たちが腰を掛けるベンチからは、小さな池が一望できるようになっていて、冬の匂いを振りまいた冷たい風が水面をゆらゆらと揺らし
映し出された灰色の世界はその度に歪んでいた
「…そんなの、タイプだったからに決まってるじゃない。
それに…Aは心まで綺麗だからね。
外見だって、中身だって本当に大好きだよ？」
彼は、何のためらいも無い清らかな瞳で笑った
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ルーナ - すごくいい話でした。及川さんマジカッコイイ〜! (2017年5月20日 20時) (
レス) id: cc80c3096f (このIDを非表示/違反報告)
fantakirai(プロフ) - もう、マジ尊敬します。絵も上手くて、内容も素晴らしくて…憧れますね！！完結お疲れ様でした！！漫画に出来るくらい凄い作品だと思いましたァァァ！！！！ (2017年2月5日 23時) (レス) id: 9982731846 (このIDを非表示/違反報告)
Florenzia - 素晴らしいです! ヤンデレ感が最高でした。 絵が美しすぎて…漫画化して欲しいヽ(；▽；)ノ (2016年8月13日 23時) (レス) id: cc4291c704 (このIDを非表示/違反報告)
月世 - ヤンデレが大好きなので(特に及川たん)とっても良かったです!!!次回作も、読みます！ (2015年12月29日 21時) (レス) id: 0439949b3a (このIDを非表示/違反報告)
ほの - この作品はやっぱり好き･･･!!何回も見ちゃう。 (2015年12月20日 10時) (レス) id: 678d7ca983 (このIDを非表示/違反報告)
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