君を、喰べたい【及川徹】

7日目 ページ3

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ー7日目ー




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「おーい、ちょっと待ってよー！Aちゃん！！」





練習が終わると、最近いつも私はこの声に呼び止められる







高鳴る胸を抑え、深呼吸をして
ゆっくりと声の方へ振り返ると
ぐちゃぐちゃに乱れた制服を着たあの人が私の後ろで笑っていた









「もー！なんでいつも先に帰っちゃうのー？！
練習後、一緒に帰るくらいしか話す時間ないのにさぁ」







美しく整った甘い顔立ちを崩し
頬を膨らませて拗ねる彼は



私の・・・・








「ねー、A聞いてる？？
俺は君の彼氏なんだから、ちょっとは恋人っぽく過ごそーよ？ねっ？」






そう言って、彼は笑顔で私の手を握った





まさか、こんなかっこいい人が
私の彼氏だなんて・・今でも信じられない







「…及川さん、ネクタイ曲がってるよ…。」








強引に繋がれた手から伝わる彼の体温を感じるだけで、心臓がドキドキと煩く鼓動を鳴らし
居ても立ってもいられなくなり、私は思わず手を離してくれそうな話題を振ってみる








「ん？本当だ。
Aと一緒に帰りたくて焦って着替えたからなぁ。
あ！！じゃあさ、Aがネクタイ直してよ！」






驚いて彼を見上げると
彼は私の心の中の全てを見透かしたような意地悪な瞳でこちらを見つめていた








「ほーら、早くっ！！
もっと近くに来なきゃ結べないよ？？」






全て、計算尽くなのかもしれない







「はーい、捕獲っ！！」






言われたままにネクタイを直そうと、渋々彼の目の前に立った瞬間
私は強い力で胸元へと抱き寄せられる








「…やっと抱きしめられた。」








カッコいいのは、顔だけにしてほしい
仕草や行動までもがこんなに女の子をドキドキさせられるのは、きっと彼だからに違いない

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