080 ページ4
Aside
聡「目、開けていいよ。」
さっきまでの騒音が嘘みたいにシンとした空間に優しい聡の声が。
言われた通りに目を開くとそこには散乱した物たち。
あの３人は、いつの間にかいなくなっていた。
聡「ごめん、ちょっとやり過ぎちゃったかも。」
私を起き上がらせて、口に巻かれた布を外しながら笑う。
髪が乱れてるし、服だっていつもはシワひとつないのに、もうぐしゃぐしゃ。
A「やり過ぎだよ、顔に傷までつけて。」
聡「いて、」
自由になった手は聡の赤く染まった口端を触る。
聡「震えてる。」
大きくて暖かい手が私の手を包んで。
まっすぐなその瞳が私の顔を覗き込む。
A「、、、」
本当は、お礼を言わなくちゃいけないのに、
恐怖心がまだ残ってるのか、それとも安心なのか、どっちなのかはわからないけど
涙が溢れ出てしまう。
A「、、〜っ、」
あのまま、聡が来なかったらって、
本当に怖かったの。
どうしてもっと早く来てくれなかったのって。
可愛くないけどそんなことを思ってしまって。
聡「ごめん、嫌だったよね。時間かかってごめん。」
そういってまるで心でも読んだかのように
私の頭を肩に持って来させて、背中をさする。
A「、、怖かったっ、」
聡「うん、」
A「聡、が、来なかったら、、私、」
聡「言わなくていいよ。」
A「〜っ、」
肩に顔を埋めたまま、
そのまま、ずっと泣きじゃくってしまう。
聡は、黙ったまま、前みたいに、小さいときみたいに、私が泣き止むまで待っててくれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
arry(プロフ) - 自分の作品に行き詰まって、お嬢様と一途、両方最初から読み返してました。切なくて、焦ったくて、だけどきゅんきゅんして楽しそうなkomarinaちゃんのお話が本当に大好きです。無理せず自分のペースで更新してください。 (2020年3月30日 2時) (
レス) id: 8aa1122b4b (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 更新楽しみにしています(^^) (2020年2月17日 22時) (レス) id: 9eba228a19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：komarina | 作成日時：2020年2月16日 14時
