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*
「…ん？」
前方を歩いているアーヤの動きに、変化があった。
周囲を見回し、何かを警戒している様子が見て取れる。
更に周辺に意識を向けると、アーヤよりやや前方でベビーカーを押していた女性が、しきりに咳を繰り返していた。
口元に片手を当て、もう一方の手は左右に動かしている。
その動きから推察される行動に、俺はハッとした。
彼女が風邪をひいているなら、あんな動きはしない。そしてアーヤも、もし風邪による咳で苦しんでいる女性が近くに居ただけでは、あんな険しい表情にはならない。
アーヤの視線は、更なる前方を睨みつけている。喫煙しながら歩いている、中年男に向かって。
まさかという悪い予感が、俺に焦りと不安を齎せる。
急いでアーヤの方へと駆けだしたが、彼女が中年男に言葉を掛ける方が早かった。
「あの、ここ、路上喫煙は禁止です。
止めてください」
「は？」
マズい。出遅れた。
もっと早く、アーヤの過剰な正義感の強さに気付くべきだったのに。
「んだよ。
少しくらいいいだろ。
こっちは高い税金払ってやってるんだぞ」
「そんなの、別に誰も頼んでいません。
それに税金を払うのは国民の義務で、タバコ税はその一部になっていて、その中に路上喫煙による迷惑料は含まれていません」
「ああ？
税金払ってもいないガキが生意気言ってんじゃねーぞ、コラぁっ！」
「！」
男の威嚇した声が、周囲に響く。
そこでようやく追いついた俺は、アーヤの前に出た。
「く、黒木君？」
間に合ったことに一瞬安堵し、俺はすぐさま男を睨んで警告する。
「路上喫煙の罪に加え、今のあなたの発言は恐喝に入ります。
この先の話は警察に行ってからにしましょうか」
「う…、…くそっ」
男が銜えていたたばこを取り、俺の方に投げつけてきた。
「黒木君！」
咄嗟に手で払いのけると、掌に一瞬熱が伝わる。
そのまま男は逃げ出し、俺はホッと息を吐いた。
「黒木君！
大丈夫？」
「ああ」
「怪我は…？
無茶したら駄目だよ」
「……」
アーヤが心配してくれる声に、やるせなく肩を落とす。
それはこっちの台詞だと、言ったら今度こそわかってくれるだろうか？
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ゆう - 黒木君とアーヤコンビ好きなので、コマさんに書いていただけて嬉しいです！(♡‿♡) 新作心よりお待ちしています٩(ˊᗜˋ*)و (2022年9月27日 1時) (
レス) @page7 id: a5f39b1d9b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - ゲーム化！名案です！私もどのKZメンバーも大好きだから、誰かが傷つくところはなるべく見たくありません。原作の展開、、楽しみですよね。覚悟を決めて展開を受け止め、楽しみたいと思います。 (2018年2月3日 23時) (レス) id: c627713d52 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - mimiさんさん» ありがとうございます。黒木君難しいんで、そう言っていただけて幸せです。今後も頑張りますのでよろしくお願いします(#^.^#) (2016年2月2日 22時) (レス) id: 90c1ef24f9 (このIDを非表示/違反報告)
mimiさん - はじめまして！mimiさんです。こまさん黒木君ものすごく上手にかけてますね！(上から目線ですみません)おもしろかったです！ (2016年2月2日 18時) (レス) id: c57bd9cf9c (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 柚子さん» コメントありがとうございます(#^.^#)黒木君、受け入れていただけて嬉しいです。私も実は独自の黒木君妄想設定があって、彼の心情を想像するとどうにも苦しくなります。また次も頑張らせていただきます!(^^)! (2016年1月27日 23時) (レス) id: 90c1ef24f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こま
| 作成日時：2016年1月19日 18時
