【勝利の女神は笑わない】 (ページ4)

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2話出会いページ4

真子side

帰り道、夏未との会話を思い出しながら歩く。
河川敷に来たところでふと子供達が騒いでいる方を見ると、サッカー部のキャプテンが必死に謝っている。円堂君の前には不良らしき人物が2人…

(彼奴ら…何？)

と思った時だった。不良がボールに唾を吐いた。
これはサッカーを辞めていたとしても流石にムカついた。
そして口を出そうとした瞬間だった。

不良がボール思いっきり蹴った。そのボールは休憩を取っていた女の子に当たりそうになった。

｢危ない！｣

そう叫んで私は女の子を庇っていた。だけどいつまでも痛みが来ない。不良達の方を見ると私の行く方面から歩いて来た同い年位の男の子がボールを蹴り返した後だった。

｢炎の…｣

そう言おうとした…だけど口を噤んだ。

｢大丈夫か？｣

彼が聴いてきたからだ。
女の子は直ぐに

｢お兄さん、お姉さんありがとう！｣

と言っていたが私は返すにも返せなかった。
彼は手を差し伸べ、お前も大丈夫か？そう聴いてくれた。

｢…えぇ、助けてくれてありがとう
貴方も大丈夫だった？｣

｢あぁ｣

｢なら…良かったわ
君も大丈夫？｣

彼を背中に私は女の子に声をかけた。

｢うん！
お姉さんありがとう！
私ねマコって言うの！
お姉さんは？｣

｢奇遇ね…私も真子って言うの…
よろしくねマコちゃん｣

後ろからは円堂君とさっきの男の子が喋っているのが聴こえた。(円堂君が一方的に喋っているようだが)

｢じゃぁ…私は帰るわね｣

そう言い残しその場を去ろうとした。

｢なぁ、真子もサッカーしないか？
マコを守ってくれたって事はまだサッカー好きなんだろ？｣

｢…｣

円堂君のその言葉には何も返さず私は帰路に着いた。