【勝利の女神は笑わない】 (ページ12)

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10話氷柱ページ12

真子side

制服でサッカーをやるのもな…と思ったが今日は体育がなかったためジャージ類は持っていなかった為そのままの格好で勝負をする事になった。
全員が位置に着きサッカー部からキックオフ。

｢余裕ぶっこいて、後で後悔しても知らないからな｣

染岡君がそう言った。
私、そんなに余裕ぶっこいてる顔してる？

｢約束は守る主義なの…
貴方達が勝ったら殴ったり蹴ったりしていいわ、大人しくしているから｣

－－－－－－－－－－－－－－

秋side

染岡君と真子ちゃんが何か話ている。
だけどそろそろ始めないとダメなので仕方なく笛を鳴らす
ピー！！
染岡君がボール蹴りこんでいく。
それを真子ちゃんは横目に見る。

｢なんでボールを取りに来ないんだ？｣

半田君がそう言った時彼女は走り始めた。

｢今から焦ったところじゃ追いつけないぜ！｣

その言葉と裏腹に真子ちゃんはどんどんスピードをあげる。
気付いた時にはゴールに向かってボールを蹴った染岡君まで追いついていた。

ゴールに向かって一直線だったボールは彼女によって止められていた。

｢全員、今すぐ下がれ!!!｣

風丸君が指示を出すと同時に真子ちゃんはボールを上に蹴り上げていた。
その行為に誰もが驚いた。

｢氷柱｣

彼女がそう呟きボールはつららのように尖った氷を纏った。ボールはどんどんスピードと威力を増していき、周りにいた染岡君や半田君…と言うかほぼ全ての人達が倒れこんでいる。
ゴールを守っている円堂君は…顔面スレスレにボールが通りゴールを許してしまった。
真子ちゃんの方を向くといつもの顔で私を見ている。
私はあ！っと思い笛を鳴らす。
真子ちゃんはありがとう、と口パクで言ってきた。
そして直ぐに染岡君達の方に向く。
サッカー部の皆は唖然としている。
だけど2人を除いては…
風丸君は

｢相変わらずの威力とキレキレのコースだな…｣

と関心している。
円堂君は目をキラキラさせて

｢もう1回！もう1回！
次は止める！｣

と言っている。
何故真子ちゃんは私達が勝てないのをわかっていて勝負を仕掛けて来たのか…私は不思議に思った。